ブッシュ大統領の仲介で再開した中東和平交渉ですが、大方の予想どおりなかなか進展しません。
そんななかで、パレスチナ側からはこんな発言も。
***パレスチナ:「一方的な独立宣言を検討」と警告*****
パレスチナ自治政府のアッバス議長の側近は20日、イスラエルとの和平交渉で具体的な進展がなければ、「パレスチナ国家」の一方的な独立宣言を検討すると警告した。和平交渉は昨年11月の米国での中東和平国際会議を機に再開されたが、双方の立場に隔たりは大きく、パレスチナ側には交渉遅滞への警戒感が広がっている。17日にセルビアからの独立を宣言したコソボを念頭に、イスラエル側をけん制する狙いがあるとみられる。【2月20日 毎日】
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今パレスチナが独立したからと言って、“穴あきチーズ”状態の支配地、パレスチナ難民の帰還問題、エルサレム帰属問題、ガザ地区の問題・・・それらがどうなる訳でもなく、パレスチナだけでは事態が動かせないので国際交渉に委ねられている訳ですから、苛立ちまぎれの発言・・・といったところでしょう。
ただ、話を混乱させることにもなりますので、イスラエルは「コソボ独立を承認すればパレスチナ問題に影響しかねない」と、コソボについての態度を留保しているそうです。
アメリカからはこんな提案も。
****イスラエル西岸撤退後にNATO軍展開=米特使が構想―地元紙*****
20日付のイスラエル紙エルサレム・ポストは、米国のジェームズ・ジョーンズ中東治安担当特使が、イスラエルが最終的にヨルダン川西岸から撤退した後、パレスチナ自治政府が完全に治安を掌握するまでの間、北大西洋条約機構(NATO)軍を展開させる案を検討していると報じた。
この案についてイスラエルのバラク国防相が説明を受けたものの、見解は示さなかったという。イスラエルは従来、外国部隊の展開に否定的な考えを示している。【2月20日 AFP】
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イスラエル側が懸念するのは、具体的には、もしパレスチナの武装勢力がイスラエルに向けてロケット弾を撃ち込むような状況が生じた際に、イスラエル軍はそれに応戦できるのか、もしくは駐留する外国部隊に頼らなければならないのかというような問題だそうです。
こちらもまだ“アイデアの段階”ですが、それにしても万一実現の方向で・・・なんてなったら、NATO加盟諸国も大変です。
イラクで戦い、泥沼化するアフガンではアメリカから「人を守るために戦っている国と、そうでない国に同盟国が二層化されることを懸念する」、「欧州の人々は、アフガンの安定が欧州にとっていかに重要か理解していない」と恫喝され、コソボでは緊張が高まり、さらにホットスポットのパレスチナ。
いささか疲弊して不満を口にする国も出てくるのでは。
世界の紛争地域の安定については、本来であれば国連主導で、もし実在するなら国連軍で・・・というところですが、現実には国連は十分に機能せず、国連軍なんてものもありません。
そのような状態で、あるいはそのような状態を望んで、アメリカ主導でNATO軍の展開というケースも増える訳ですが、エネルギッシュなアメリカにつきあうのは大変です。
やがては日本など参加していない国への呼びかけも強まるでしょうし、そういうことがなくても、同時代を生きる人間の立場で日本として考えるべき問題はあります。
現実問題として比較的関係の薄いアジア地域からの派遣が望まれるケースもあるでしょう。
しかし、特定国の影響で際限なくあちこちに引っ張り出される、あるいは納得しがたい事案に引きずり込まれるような事態はもちろん避けなければならないので、そのための国内外に通用する“ブレーキ装置”は必要でしょう。
何を言いたいのかわからないような与太話は止めにして、今日はおしまい。
そんななかで、パレスチナ側からはこんな発言も。
***パレスチナ:「一方的な独立宣言を検討」と警告*****
パレスチナ自治政府のアッバス議長の側近は20日、イスラエルとの和平交渉で具体的な進展がなければ、「パレスチナ国家」の一方的な独立宣言を検討すると警告した。和平交渉は昨年11月の米国での中東和平国際会議を機に再開されたが、双方の立場に隔たりは大きく、パレスチナ側には交渉遅滞への警戒感が広がっている。17日にセルビアからの独立を宣言したコソボを念頭に、イスラエル側をけん制する狙いがあるとみられる。【2月20日 毎日】
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今パレスチナが独立したからと言って、“穴あきチーズ”状態の支配地、パレスチナ難民の帰還問題、エルサレム帰属問題、ガザ地区の問題・・・それらがどうなる訳でもなく、パレスチナだけでは事態が動かせないので国際交渉に委ねられている訳ですから、苛立ちまぎれの発言・・・といったところでしょう。
ただ、話を混乱させることにもなりますので、イスラエルは「コソボ独立を承認すればパレスチナ問題に影響しかねない」と、コソボについての態度を留保しているそうです。
アメリカからはこんな提案も。
****イスラエル西岸撤退後にNATO軍展開=米特使が構想―地元紙*****
20日付のイスラエル紙エルサレム・ポストは、米国のジェームズ・ジョーンズ中東治安担当特使が、イスラエルが最終的にヨルダン川西岸から撤退した後、パレスチナ自治政府が完全に治安を掌握するまでの間、北大西洋条約機構(NATO)軍を展開させる案を検討していると報じた。
この案についてイスラエルのバラク国防相が説明を受けたものの、見解は示さなかったという。イスラエルは従来、外国部隊の展開に否定的な考えを示している。【2月20日 AFP】
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イスラエル側が懸念するのは、具体的には、もしパレスチナの武装勢力がイスラエルに向けてロケット弾を撃ち込むような状況が生じた際に、イスラエル軍はそれに応戦できるのか、もしくは駐留する外国部隊に頼らなければならないのかというような問題だそうです。
こちらもまだ“アイデアの段階”ですが、それにしても万一実現の方向で・・・なんてなったら、NATO加盟諸国も大変です。
イラクで戦い、泥沼化するアフガンではアメリカから「人を守るために戦っている国と、そうでない国に同盟国が二層化されることを懸念する」、「欧州の人々は、アフガンの安定が欧州にとっていかに重要か理解していない」と恫喝され、コソボでは緊張が高まり、さらにホットスポットのパレスチナ。
いささか疲弊して不満を口にする国も出てくるのでは。
世界の紛争地域の安定については、本来であれば国連主導で、もし実在するなら国連軍で・・・というところですが、現実には国連は十分に機能せず、国連軍なんてものもありません。
そのような状態で、あるいはそのような状態を望んで、アメリカ主導でNATO軍の展開というケースも増える訳ですが、エネルギッシュなアメリカにつきあうのは大変です。
やがては日本など参加していない国への呼びかけも強まるでしょうし、そういうことがなくても、同時代を生きる人間の立場で日本として考えるべき問題はあります。
現実問題として比較的関係の薄いアジア地域からの派遣が望まれるケースもあるでしょう。
しかし、特定国の影響で際限なくあちこちに引っ張り出される、あるいは納得しがたい事案に引きずり込まれるような事態はもちろん避けなければならないので、そのための国内外に通用する“ブレーキ装置”は必要でしょう。
何を言いたいのかわからないような与太話は止めにして、今日はおしまい。