(麻雀をする4人の女 そばに立つ少女が台湾 果物ナイフを握り締め独立の機会を窺っています。 正面の着衣の女がアメリカで、台湾の動きを牽制しています。
背中を見せているのが中国 右に寝転がるのがロシア ロシアは片足をアメリカに置き、片手を中国に伸ばしています。 そして背中の中国は卓上に東が3枚、後ろ手に牌を2枚いじっており、ロシアと交換も。 左手で配牌の良いことをひとり喜んでいるのが日本。
・・・といった“解釈”もできるとか。もちろん相当なこじつけではありますが。“flickr”より By h a o http://www.flickr.com/photos/hungrytraveller/191495250/)
世の中変わるものです。
【台湾国民党主席訪中】
****「未来開く」と関係発展に意欲=南京で演説-初訪中の台湾与党主席****
台湾の与党党首として初めて訪中した国民党の呉伯雄主席は27日午前、訪問先の江蘇省南京で演説し、「両岸(中台)は歴史を直視し、現実と向き合い、未来を切り開くべきだ」と述べ、中台関係の発展に強い意欲を示した。南京訪問の模様は国営テレビが中継した。
呉主席はまず、南京市内の国民党創設者・孫文の陵墓に参り、「安らかに眠って下さい」と8年ぶりの政権奪回を報告。演説では、「中台は共に中華民族に属しており、この血縁は誰にも消せない」とし、四川大地震で台湾の人々が率先して救援に協力していることが証しになるとの認識を示した。 【5月27日 時事】
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“与党党首”としては初めてですが、国民党党首としては05年4月26日 当時の連戦主席がやはり南京から中国に入っています。
国民党主席が中国を訪問したのは、1949年の中台分断後初めてでした。
連戦氏は胡錦濤・中国共産党総書記と、毛沢東―蒋介石の会談(1945年)以来、60年ぶりの国共トップ会談を行いました。
この訪中で連戦氏は「訪問が遅すぎたうらみはあるが、ついに歴史的一歩を踏み出した」と述べ、中国側も国営メディアなどを総動員して「対話」「和解」ムードを演出しました。
当時海外のニュースなど殆ど関心を払っていなかったので事前の情報がなく、“国共トップ会談”とか“毛沢東―蒋介石の会談以来”というメディアの記事を目にして、随分驚いた記憶があります。
歴史の教科書に埋もれていた壊れた時計が突然動き出したような印象を持ちました。
さて、今回の訪中ですが、「台湾は島国。閉鎖すれば衰退する」として経済的な中台関係強化を掲げて先の総統選挙に圧勝した馬九英総統は、「任期中に独立も統一もしない」と表明する一方で、今回のトップ会談に続き、6月には中台対話の再開、7月からは中台間直行週末チャーター便と中国人観光客の受け入れ開始という流れを描いているとか。
【中国側の対応】
中国側もこの流れを加速させたい意向です。
中国共産党台湾弁公室は22日、中断されている台湾との直接対話の再開に向けて準備を進めていることを明らかにしました。
中国が対話再開の意思を示したのは数年ぶりで、陳雲林主任は国営メディアを通じて「現在、海峡両岸(中台)関係に良好で発展的な勢いが生じている」と述べ、対話再開に前向きな姿勢を示したそうです。
また、陳主任によると、“中台両政府は、「1つの中国」の原則を中台がそれぞれに解釈するとした対話の指針「92年合意」に基づいて、交渉と議論の再開に向け努力しており、関連の準備を進めている。中国政府は長年の懸案だった台湾問題の解決を見込んでいる”とのことです。【5月22日 AFP】
【四川大地震で高まる同朋意識】
こうした中台の改善ムードは四川大地震で一気に高まったようです。
馬英九総統は総統就任前の13日に約70万円の義援金を出した際、「一つは人道面から、もう一つは中華民族のひとりであるからだ」と述べています。
また、まだ総統の立場にあった、独立志向の陳水扁政権も人道支援に踏み切り、当時台湾からの義援金は突出して多額となっていました。
こうした状況を17日朝日は「地揺れて、仲深まる 中台に「同胞意識」 四川大地震」という見出しで報じています。
これは画期的な変化です。
「ひとつの中国」というものは、長く東アジア世界のパワーバランスを維持するための“虚構”として、あいまいな位置づけのまま保たれてきました。
今の中台関係改善には、単なる“虚構”でもなく、単なる経済発展のための関係でもなく、“同胞意識”が表に出始めており、冒頭記事にある呉主席の発言「この血縁は誰にも消せない」に至っています。
もちろん、今後一直線に接近が加速することはないでしょう。
台湾にとって、大陸の中国はあまりに巨大な磁石です。
距離を誤ると・・・という危機感は常につきまといますし、中国の1党独裁という政治体制が一定以上の関係を阻む壁になります。
しかし、一進一退はあるものの、政治的にも経済的にも存在感を増す中国の存在を無視することは今後ますます困難となるでしょうから、今後の具体的な関係のなかで対抗意識・警戒感が薄れ、同朋意識が高まることで、更にその関係は太いものとなっていくようにも思われます。
【東アジア地域の動向】
胡錦濤主席の日本訪問、日本からの緊急援助隊受け入れで日中関係改善もアピールされています。
27日には、韓国の李明博大統領が中国公式訪問のため北京入りし、人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談。
双方は両国関係を従来の「全面的協力パートナー」から「戦略的協力パートナー」へ格上げするとともに、経済協力をさらに拡大することで合意しました。
中国・台湾・日本・韓国・・・・これらの国々の間には懸案事項も多く存在します。
それは隣接する国家であれば、いろんな問題を抱えるのは当然の話でもあります。
歴史的に深い関係があれば、それだけ問題も多く存在するでしょう。
政治的体制の違いもあります。
しかし、そこに囚われていては、事態は変化しません。
全体的な関係を前に進めることで、懸案の問題についても解決の糸口が見つかるのではないでしょうか。
経済的に大きな市場を形成しうる、文化を共有するこれら国々が、東アジアで成熟した関係を築いていけることを望むのですが・・・。
日本・台湾が海で隔てられており、中国と韓国の間には北朝鮮が緩衝地帯として存在する・・・という地政学的な関係も、地続きの国境線よりは緊張の高まりを防止するうえでいいかも。