家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

条件反射

2006-01-19 16:47:09 | Weblog
もうかれこれ25年ほど前になるが犬を飼った。
ミニチュアシュナウザー犬のメス。名前はカイザー。
私はカイザーを呼び寄せるとき指をパチンと鳴らして教えた。カイザーはほどなく、その合図を覚えた。家の中で「パチン」と鳴らせば、
どこからともなく出てきて私に飛びついてくる。

やがてその「パチン」はカイザーだけでなく家族4人皆の合図となった。
書店で、そろそろ帰ろうかという時「パチン」と鳴れば皆見ていた本をサッと置いて集合する。


先日妻とイオンに買い物に行った。
3階からエスカレーターを下っているとき2階の「無印」に居る妻を見つけた。
店頭にあるシャツを広げて見ていた。
とっさに指をパチンと鳴らしてみた。距離が相当離れているので、どうかと思ったが
妻は気になる音を聴いたようなそぶりを見せた。
もう一度「パチン」
明らかに聴こえたという仕草で妻は音の出所を探している。
更に「パチン」
とうとう音の出所を突き止めた。
エスカレーターを下っている私を見つけて不満そうな顔をした。
「おう」と言って私は妻のところに行った。
「私ゃ犬か?情けないよ、あの音に反射してしまうことが」と妻が言う。

カイザーが亡くなってからもう10年になる。今飼っている猫には、この「パチン」は通用しないが妻には有効であった。