私の息子の世代の友人が来た。
彼は私が彼の年頃に乗っていた車と同じ車種を最近購入した。
それはBMW2000CS。
私は、その車を約20年前に資金不足のため手放していた。
嫌いになったわけではなく、ただお金の問題だけで売ることになったので未練もありBMW2000CSに対して申し訳ない気持ちも併せ持っていた。
彼に資料として当時発売されていた本を見せた。
車は売ってしまったが本だけはとっておいたのだ。
彼はBMW2000CSの項に差し掛かり
「あっ」と言って固まってしまった。
「どうした?」と聞くと「これ僕の」と答えた。
本に掲載されていたBMW2000CSが彼の購入したBMW2000CSだったのである。
本に掲載されている当時のまま、このBMW2000CSは時間が止まっていた。ステッカーでさえ、同じ場所に貼られたまま。
廃車証によれば本に掲載された2年後に車検が切れたようになっている。その後彼の元にたどり着くまで、じっと車庫の奥で彼を待っていたのだろう。
五木寛之作「わが憎しみのイカロス」という物語がある。佐世保出身の譲治がBMW2000CSに愛情を持ってしまうというものだ。五木寛之が物語にしたいほどの名車だということだ。
再びBMW2000CSの美しく気品に溢れた姿が見られると思うと感慨もひとしおである。
彼と私とBMW2000CSの関係は運命的と言ってもいいのではないかと思う。
彼は私が彼の年頃に乗っていた車と同じ車種を最近購入した。
それはBMW2000CS。
私は、その車を約20年前に資金不足のため手放していた。
嫌いになったわけではなく、ただお金の問題だけで売ることになったので未練もありBMW2000CSに対して申し訳ない気持ちも併せ持っていた。
彼に資料として当時発売されていた本を見せた。
車は売ってしまったが本だけはとっておいたのだ。
彼はBMW2000CSの項に差し掛かり
「あっ」と言って固まってしまった。
「どうした?」と聞くと「これ僕の」と答えた。
本に掲載されていたBMW2000CSが彼の購入したBMW2000CSだったのである。
本に掲載されている当時のまま、このBMW2000CSは時間が止まっていた。ステッカーでさえ、同じ場所に貼られたまま。
廃車証によれば本に掲載された2年後に車検が切れたようになっている。その後彼の元にたどり着くまで、じっと車庫の奥で彼を待っていたのだろう。
五木寛之作「わが憎しみのイカロス」という物語がある。佐世保出身の譲治がBMW2000CSに愛情を持ってしまうというものだ。五木寛之が物語にしたいほどの名車だということだ。
再びBMW2000CSの美しく気品に溢れた姿が見られると思うと感慨もひとしおである。
彼と私とBMW2000CSの関係は運命的と言ってもいいのではないかと思う。