家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

サルに「コラー」と言った

2012-12-18 11:01:57 | Weblog
春野に到着して門の施錠を外そうとして上を見たらサルが見えた。

杉の木の後ろにサッと隠れた。

「あっ。サルがいる」と言うと助手席から降りてきた妻が「どこ?」と聞く。

「あそこの太い杉の木の後ろに隠れているよ」と言って場所を教えた。

しばらく見ていたら、そこから退散していった。

妻もそれを確認した。

庭にはバンペイユが転がっていた。

歯型は付いていない。

しかしまだ少し青みがあるので自然に落下したとは考えにくい。

庭の落ち葉を掃除していると食べかけたバンペイユを見つけた。

陽だまりで下を走る道路を見ながら食べたようだ。

3分の2以上食べてある。

拾って道路下の我が家の敷地に捨てた。

シイタケのほだ木の置いてある場所でも食べたあとを発見した。

昼食中に山の上から降りてきたサルを発見した。

いつものサルとは違う。

オッパイの垂れ下がった小型のメスだった。

私が窓越しに見ていることを知っていてもバンペイユを取ろうとしている。

窓に近づいた妻の姿を見て姿を消した。

庭に出てみた。

遥か上の方に何かを食べているサルがいた。

「コラー」と両手をメガホン代わりにして怒鳴った。

山に響いた。

サルは、お構いなしで食べることに夢中だ。

妻に50mほど奥に見えるサルを教えて、もう一度怒鳴った。

声を濁らせないように、よく通るように声帯を調整した。

別のところから別のサルが姿を現し逃げていった。

隠れていた別のサルが自分が怒られていると勘違いしたのだろう。

「もうバンペイユは全部取ろうか」

「そうしよう」

まだ取るには早いがサルにばかり食べられているのは、しゃくにさわるしサルを呼んでしまう物があることが集落の人たちに申し訳ないので決断した。

大声で怒鳴るのも気分が、すっきりするなぁと副作用に感謝した。