家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

石垣の攻防

2013-07-02 09:52:45 | Weblog
石垣の中にマムシが居る。

もうこれで3匹目だ。

マムシが石垣を好むことは知っていた。

しかしこうも多くのマムシが生息していたとは驚きだ。

都合の悪いことに老眼鏡をかけて探さないと彼らの姿が見えない。

暗いし狭いし彼らの本物はカモフラージュなのだから仕方ない。

「見えないならいいじゃん」

という問題ではなく石垣に生える草を取ろうとした時に噛まれる可能性がある。

この石垣に繋がる南側は既にモルタルで埋めた。

北側も同じく。

ここだけが陽のあたる心地よい居住地として残ったというわけだ。

「ここも埋めるしかない」決心した。

「昨日ここにいた奴を逃しちゃったんだよ」と妻に教えた。

「居た」

今日も石垣の穴で日光浴をしている。

しかし昨日棒でつついたので今日は警戒していて、顔をこちらに向けている。

そして、すぐに奥に入ってしまった。

一応トーチで強い炎を送り込んだが奴の生死は不明だ。

昨日棒で突いたとき、その棒が50センチほど奥にハマリ込んだ。

石垣の穴の奥行の長さには驚いた。

恐る恐る石垣に生えているイワヒバを外しベゴニアを取り草をむしり、そこに石を詰めた。

初日は時間が来てここまでだ。

翌日朝早くからコンクリートを練り石垣の穴に詰めていく。

当然奴の居た場所から始めた。

曇りだったから絶好の作業日和だった。

ところが午前中に雨が降り出し作業は中止せざるを得なくなった。

そのまた翌日作業を再開した。

今日は炎天下での作業だ。

小さなカエルが出てきたし名前を知らない昆虫も出てきた。

ハチやトカゲが「入れない」と塞がれた穴の周りで立ち往生する。

植物も引っこ抜いてしまった。

皆の快適な住居を奪っていることは承知している。

だがこちらの言い分を、どうしても通してもらう。

やり終えて、これで安心だという満足感があった。

しかし少なからず私の良心が後味の悪さを感じさせる。