![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/7c/b5efa3ee141b754694d333f9883b4a89.jpg)
こんにちは、突発的《世界名作劇場》のお時間がやってまいりました。
「こんにちわゥ~、テディちゃでス。……ふあん、でスゥ……」
あら? 何が不安なんですか?
「このォ、ひょうしィ……なんだかァ、そのゥ~」
御安心を。ホラーではありません!
この御本は、ジャンルでいうならSFですね。
さあ、御紹介いたしましょう! こちらを、どうぞ!
―― 宇宙船ビーグル号の冒険 ――
著者はA・E・ヴァン・ヴォークトさん、原著は1950年に発行されました。
原題は『THE VOYAGE OF THE SPACE BEAGLE』。
「ネーさ、びィ~ぐるゥ、ッてェ?」
出典は、船の名前ですね。
イギリス海軍の測量船、と聞いただけで、分かる人には分かっちゃうでしょう。
1831年、英国の港から南半球へ向け出発したその船には、
ある科学者さんの若き日の姿がありました。
彼の名は、チャールズ・ダーウィン――
「わぽッ! だーうぃんさんッ!」
さて、時代は変わって、遠い未来。
新たなビーグル号が建造されました。
地球の青い海ではなく、外宇宙への探検船ビーグル号です。
船長リース大佐の指揮のもと、
多くの優秀な科学者たちを乗せ、
何光年もの彼方へ。
主人公は、エリオット・グローヴナーさん。
まだ31歳の若い科学者である彼の、専門分野は異色です。
化学であり、数学であり、考古学であり、天文学であり、地質学であり、
植物学であり、また社会学、心理学でもあって、
「ふァ? むちゃくちゃッ、でスよゥ~?」
グローヴナーさんは、総合科学者(ネクシャリスト)なんです。
かれは総合科学(ネクシャリズム)の専門家で、
それはつまり、《すべて》が対象分野であるということ。
数学も考古学も、何だってあり、何でも可。
しかし、総合科学は始まったばかり、新興の学問でした。
知名度も影響力もない総合科学財団が
かろうじてビーグル号探検隊に加えることが出来たのは、
グローヴナーさんのみ……。
そう、船内に総合科学者は彼ひとりしか、いないのです。
「むぅ~、ぜんとたなんがァ、よそうゥされるのでスゥ~」
専門家/細分化され過ぎてしまった《わからず屋》の科学者さんたち、
船内の勢力争いや、
謎の異生物(エイリアン?)との戦い。
グローヴナーさんを乗せ、ビーグル号が行き着く先は――?
作中に登場する超生物くん、とってもユニークです。
猫に似た黒い身体。
電磁波を自在に操り、真空中でも生存可能。
本書では『ケアル』と表記されていますが、
『クァール』と書き換えれば、
あの!《ダーティペア》シリーズでも御馴染みの……?
「あッ!!」
SFファン好きな御方にぜひ読んでいただきたい名作です。
現在は入手困難な御本となってしまったようですが、
図書館や古書店で!
「テディちゃ、くぁーるをォ、かッてみたいィでスゥ!
ネーさ、どこにィ、ゆけばァ、くぁーるくんッ、いるでスかッ?」
クァールならね、ネーさもずっと欲しいと思ってるんですけど、
ペットショップには売っていないんです……。
「ううッ、ざんねんでスゥ……」
クァールを見つけた御方は、至急テディちゃ&ネーさまで!
「おねがいィするでスッ!」