中国のインゲンへの農薬混入がまたまた騒がせています。日本の企業も懲りないですね。今輸入を止めれば調達が出来なくてたちまち品不足になることはわかりますが、それにしてもあまりにも動きが悪いと言えそうです。
早く国内で賄えるようにして欲しいものですが今更無理なのでしょうか。今まで、安ければ良いに流されてきた付けは大きそうです。
しかし、もし国内ですべての量が賄えるようになるとしてもそれには農薬の力が必要なはずです。無農薬なんて騒がれていますが、実際に農業をする身になればとてもじゃないが無農薬なんてのは無理じゃないでしょうか。子どもの頃に5反百姓だった我が家の農作業を手伝わされた私としてはあんなしんどい仕事は2度としたくないという思いがあります。
私が手伝っていた頃に比べると全てが機械化されて体は以前ほど大変ではなさそうですが、今度は、その機械代も償却できないのが現実のようです。その上に、農薬が使えないなんてことになると農業なんて成り立たないのじゃないでしょうか。
と思っていたら、面白い記事がありました。
15日読売新聞 コラム「日めくり」より
かかし ―朝から晩までただ立ち通し
「かがし」がもともとの言い方。臭気のするものを田畑に立てて、獣を追い払ったところから、「においを嗅がす」に由来する。語源が忘れられ、広く鳥獣害防止を目的とするものの総称になり、最も目に付きやすい人形の名になったというのが柳田国男の説だ。
案山子は、中国で案山(低い山)の田に立てた鳥獣よけの人形を指した語を借りた表記。・・・以下略
かかしが「かがし」とは全く知りませんでした。子どもの頃から「かかし」なんて脅かしだけで本当に役に立つのだろうかと疑っていましたが、もともとにはこんな用法があったんですね。
と感心していたら、同じ日、同じ読売新聞コラム心のページ「心」に多田富雄の「落葉隻語」若き農民 考える農業と題して面白い記事がありました。宮城県石巻市で化学肥料や農薬に頼らない農業を推進している松本明さんの「松本農法」を紹介していました。
・・・略
まず、安易に害虫駆除のため、農薬などを散布しない。害虫を寄せ付けない天然物を利用するのだ。ミントを畑の四隅に植えたり、その抽出物を噴霧すると、野菜にアブラムシや幼虫がつかなくなる。ルーという西洋ハーブを畑の周りに植えて、ダニや蛾、アブラムシ等の発生を防ぐ。蕨(わらび)の干したのは、倉庫に鼠を寄せ付けない。こうして野菜や生産者を、農薬曝露から守るのである。・・・以下略
こうやって農薬を使わないやり方があるんですね。かかしもこうした臭いを付けて立てれば、新たな使い方になるかもしれませんね。
それにしても、全く農薬を使わないとなるとその手間は大変そうです。出来るだけ少ない農薬との組み合わせでやっていく方法を考えた方がよさそうな気がします。
できるでしょうか!