団塊の世代のつぶやき

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太陽電池

2008年10月28日 | 太陽光発電

  

この部屋では太陽発電の話題を多く取り上げてきましたが、マスコミの報道も増えた割には正確な情報が少なく全貌や流れなどが掴み難いところがあります。

 それは、どうも新聞などの特集などでも書いた本人が良く判っていないのじゃないかと思われるような記事があることからみても解り難くなっているような気がします。

 今回久しぶりに太陽電池の現状を解りやすく書いている記事がありました。

  ロイター.co.jpより

  太陽電池特集:大競争開始、海外に抜かれる「元祖」日本 1024

 [東京 24日 ロイター] 太陽電池ビジネスを舞台とした世界規模の大競争が始まった。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出せずに無尽蔵の太陽光から電気を取り出すメカニズムは、エネルギーと環境の問題を同時に解決する切り札として、かつての鉄鋼や現在の半導体に続き21世紀の基幹産業になるとの期待が高まっている。

 この分野ではシャープ<6753.T>など日本メーカーが研究開発や製品化で世界をリードしてきたが、ここにきてアジアや欧米の新興企業が台頭。日本メーカーが過去の優位を維持するのは困難との見方も浮上している。世界や日本の経済地図を塗り替える可能性のある太陽電池をめぐるビジネスの最前線を探った。・・・中略

   <原料のシリコン価格が急騰>

 需要急拡大の余波を受け、原料シリコンの価格も高騰。シリコンメーカーのトクヤマ<4043.T>によると、年間契約などの相対市場で04年には1キログラム当たり30ドル程度だったシリコン価格は、現在80ドルほどに上昇している。スポット市場では400ドル程度ともいわれ、国内太陽電池メーカー各社の関係者は一様に「とても手を出せない」とため息をつく。

 こうした市場の構造変化の間隙(かんげき)を縫って台頭したのが、ドイツのQセルズ<QCEG.DE>や中国のサンテック・パワー<STP.N>といった新興勢力だ。Qセルズは1999年末に設立。2001年夏に従業員19人で生産を始め、わずか7年で太陽電池市場の世界トップ(野村証券調べ、以下同)に躍り出た。サンテックは01年に設立。2005年末にニューヨークに上場し、07年に太陽電池生産でシャープに次ぐ世界3位に付けた。両社ともシリコンの調達を戦略的に進め、創業から数年で世界屈指の地位を確保した。

 一方、日本勢は05年には上位5社のうちシャープ(1位)、京セラ<6971.T>(3位)、三洋電機(4位)、三菱電機<6503.T>(5位)の4社が占めていたが、07年にはシャープ(2位)、京セラ(4位)、三洋(8位)と各社とも後退。三菱電はトップ10から脱落した。シャープは07年、シリコン調達で海外勢に買い負けし、長年守ってきた世界一の座をQセルズに明け渡した。

 <ちぐはぐな日本政府の対応、国内勢に厳しいシナリオ>

 市場の拡大とともに、新規参入者も増え続け、世界には現在200社以上の太陽電池メーカーがあるという。京セラの前田辰巳専務は「今のソーラー市場はバブル。200社のうち8割はつぶれる」と予測する。日本メーカーは太陽電池の研究開発や製品化で先行し、この産業を育成してきたという自負がある。 

 しかし、過去の研究開発や設備投資の収穫期に入るはずだった時期に新興勢力の追い上げに直面し、し烈な市場競争に巻き込まれつつある日本メーカー関係者の表情は複雑だ。

 日本政府による太陽電池推進政策もちぐはぐだといえる。1994年度から続けてきた太陽電池の補助金を05年度に財政難を理由として打ち切った。ところが、福田康夫前首相が太陽光発電の大規模導入を含む包括的な温暖化対策を打ち出したこともあり、08年度中に補助金を復活させる。だが、日本政府は世界の主流となっているFITの導入に動く気配がない。

 半導体などハイテク分野の調査・研究、戦略コンサルティングを行うジェイスター(東京都中央区)の豊崎禎久社長は「太陽電池は半導体・液晶と同じような状況になる。アジア、中国、台湾企業に負けるということだ。2013年には日本勢は全社、トップ10外にはじき出される」と厳しい予想を示す。豊崎氏はその理由として、1)シリコン原料である珪(ケイ)石の8割を握る中国は、すでに輸出制限をかけており、自国産業を伸ばす方向に政策を強めれば外国に材料が供給されない、2)薄膜太陽電池は、(キーを回せば製品ができる)一貫製造ラインで作れるようになり、資金さえあれば誰でも参入できるようになる──といった点を挙げる。

 創業10年に満たないメーカーが、数十年の研究開発を続けたメーカーを追い抜く現実。温暖化対策の救世主として期待される太陽電池ビジネスだが、実態をのぞくとグローバル競争の厳しい現実が浮かび上がる。

 (ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者;編集 田巻 一彦)

 成るほど、シャープが首位を明け渡したのは、やはりシリコンの調達で負けた所為だったのですね。生産能力では負けるはずがないのに何故だろうと思っていましたが、やっと納得が行きました。その上に日本政府の政策が足を引っ張るのですから日本のメーカーの前途はかなり厳しそうです。

 22日、NHKのクローズアップ現代でもやっていましたが、インドの企業が資金に任せて新たに太陽電池の向上を立ち上げ、一気に世界で5位以内を目指すと宣言していました。製造設備さえ導入すれば直ぐに生産が可能になる製品であるので金さえあれば何時でも参入できる業種となってしまったことで競争は一気に激しくなってしまったようです。

 今までの、日本の企業の努力も報われないようになる可能性もありそうです。開発から市場開拓と努力を重ねてきてやっとこれから儲けさせて貰えると思ったら他国の後発メーカーに足元を救われたなんて、韓国や台湾などに一気に抜かれてしまったメモリーを思い起こさせられます。

残念ですね!