芝生好きの私が校庭の芝生化に興味を持って、第971話、第1392回、第1421回などで何度か取り上げました。第2853回では都が芝生化を打ち出し、第2937回では都に対抗したのか国も打ち出しました。
これで、日本中に芝生の校庭が広がると喜んでいましたが、現実はきびしいものがあるようです。
スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)の収益による助成事業の目玉である公立学校の校庭の芝生化への申請が伸び悩んでいる。
昨年11月から今年2月までの募集期間で、申請数は全国で約20校にとどまった。totoを運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」は今夏にも追加募集する方針だ。
校庭の芝生化は、2002年に中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が子供の体力向上策として提言。しかし、工事費や維持管理コストが大きいことから、昨年5月現在で全国の公立小中高校約3万6000校のうち、校庭を芝生化しているのは1571校(4・4%)に過ぎない。助成事業では、天然芝の場合は工事費の5分の4(上限4800万円)、人工芝は4分の3(同2250万円)を、都道府県や市区町村に補助するが、校庭芝生化を促進する切り札としての成果は上がっていない。
文科省や同センターは、募集が短期間だったことや周知不足が原因と見ているが、芝生化した後の刈り込みや散水など維持管理に対する助成はなく、「不況で地方財政が悪化する中では、消極的な自治体が多い」との指摘もある。(2009年4月5日11時04分読売新聞)
資金源が博打というのもあまりぞっとしないですね。それに自治体が後の維持費を考えると踏み切れないのもよく分かります。第2853回でも書きましたが、芝生のメインテナンスは想像を絶するほどの手間がかかります。
我が家のような狭い庭でも雑草退治だけでも大変な時間をかけています。手間がかかりすぎるので雑草抜きだけにして刈りそろえることは諦めているくらいです。それだけに校庭の芝生を綺麗に維持しようとすれば大変な労力と予算が必要なのは間違いありません。その予算が手当てできないのであれば諦めるのも仕方の無いことだと思います。
しかし、ここは、文部科学省に維持費にもたっぷりと予算をかける補助金を考えて欲しいものです。そうすれば維持管理にかかわる新しい雇用も生まれるはずです。第2853回でも書いたようにヒートアイランド現象にも効果があるようですから一石二鳥以上の効果もありそうです。
生徒に授業の一環として草抜きをして貰うのも方法でしょうが、これだってそう簡単には行かないかもしれません。
下手な公共工事に予算をかけるより子供の教育に十分な予算をかけるほうが日本の未来にとってはずっと有益でしょう。
良いことはすぐにやりましょう!