ソフトバンクGの危機もいよいよ究極まで来ているようです。いよいよ孫の終わりを見ることが出来るのでしょうか。
宮崎さんが詳しく取り上げてくれています。ソフトバンクやサムスンの終わりが見れて、Koreaも消滅するなんてバラ色の未来をこの目で見れる日は来るのでしょうか。と言うか、是非来て貰いたい。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和五年(2023)6月1日(木曜日)
通巻第7776号
日本の例外的「元気印」、ソフトバンクGも息切れか
フォートレス売却あたりから暗雲が去っていない
ひたすら奇跡的快進撃をつづけてきた孫正義。ソフトバンクグループ(以下SBG)は、アリババの馬雲や鴻海精密工業の郭台銘らと並んで米国での新事業の鍬入れ式にトランプ大統領を招待し、大々的な米国投資を平行させていた。
孫正義の大成功の切っ掛けはアリババへの出資だった。以後、ヤフー、LINE、PAYPAYを傘下に、野球のプロ球団まで買収し、サクセスストーリーの主人公となった。
誰も銀行からカネを借りないで、内部留保をごってりとため込み、冒険にでない日本企業はじっとルーテンワークを繰り返しただけだったからベンチャーには取り残され、AIもチャットGPTも無縁の世界に近かった。
そんな環境下で、有利子負債13兆円をまるで気にせず、次々と次世代ベンチャーに果敢に投資してきたのが孫正義だった。2022年に大きく座礁した。
アームのエヌビデアへの売却が中国に阻止された。その前に親友でもあったアリババの馬雲が共産党から目の敵とされ、アント上場が阻止されていた。暗雲が広がっていた。滴々への投資は「大三振」となった。
馬雲は中国「BATH」(Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)のシンボルとして世界的に著名だが、共闘党批判がたたり海外を放 浪の旅、一度、李強首相が中国のイメージ刷新のため杭州に呼び戻したが、現在は日本滞在中で、香港大学と東京大学特任教授を兼ねることになった。
昨年8月の孫正義のプレゼンを見て驚いた人が多いだろう。
ビジネスチャートや収益予想グラフではなく、スクリーンに現れたのは徳川家康だったのだ。それも三方原で武田信玄に木っ葉みじんに惨敗して浜松城へ逃げ 帰ったとき、家康はすぐに絵師を呼んで描かせた敗戦の困惑表情。この皺を眉間に寄せ、腕を顎下にくんだ絵図は人口に膾炙され、石像は岡崎の家康記念館前に も建立されている。
家康は敗戦をバネに、決して負けることのない決意をした。これがフォートレス売却直後の孫正義の心境だったのだろう。
▲孫正義は家康の敗戦直後の絵図をスクリーンに映しだした
フォートレスはUAE政府ファンドと組んだファンドだったが、3729億円で全株をUAEファンドに売却した。フォートレスは442億ドルを運用するファンドである。
2023年5月、S&PはSBGの社債格付けを下げた。BBプラスからBBに落とされ、それまでにアリババのほぼ全株をSBGは売却していた。それでも 決算は1・67兆円の赤字だった。前年の赤字は7834億円だったので、株価の乱高下が続き、SBGはジェットコースターと言われた。
またクレディスイスから訴えられていた。英国グリーンシルと米国カテラへの出資に関する案件で590億円の損害賠償で訴追された。
希望は懸案だったアーム社の上場が認められそうなことである。アーム社は半導体設計の世界有数の企業で、孫正義は米国エヌビデアへの売却を予定していた。ところがアームチャイナが妨害したので売却は不可能となって宙に浮いていた。
四月、ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アームは米国市場へ上場を当局に申請したと発表した。今年最大規模の新規株式公開(IPO)になる可能性がある。最大1兆4000億円を調達すると言われる。
5月29日、アームはスマホ向け最新ソリューション「Arm Total Compute 2023」を発表したところ、SBG株が急騰した。
これは第5世代のGPU(画像処理半導体)アーキテクチャーを採用した同社のGPUや、次世代AI向けの新CPU(中央演算処理装置)などで、ゲームやリアルタイム3D、次世代AIアプリケーションの実現につなげる。
SBG、苦況から這い上がれるか?
どうか這い上がらないで貰いたいものです。それにしても、アームという希望があるとは孫の強運に驚かされます。果たして、どうなるのでしょうか。