明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



デザイナーの北村さんから、こんなイメージカットが欲しいと言われているのだが、まだ数日猶予があるので撮っていない。どこかに挿しはさむカットらしいが、そんな気楽で楽しい撮影も、撮ってしまったら終わりである。焦らすことにしよう。 焦らすといえばディアギレフである。苦労した頭部も出来ている。作りたいのを我慢して作品集関連のことをやっていたので、そろそろ限界が来ている。もしかしたら、私がもっとも幸福なのは、こんな時かもしれない。早く作りたいのに、ポケットに人形の首を入れて飲み歩いている時は、誰と何をしてようと愉快である。しかし、作り始めたら、楽しみの終わりはみえてしまう。昔と違うのは、この後に、撮影という快楽が、もう一山あることだが、初めに浮かんだイメージがだいたい良いことになっていて、浮かんでしまえば、この楽しみの終わりもみえてしまう。だから、なるべく考えないようにしているが、浮かぶ物は止められない。昔に比べると、頭部の完成に時間がかかるようになってしまったが、それに反して、イメージは即座に浮かぶようになってしまった。これは辛い時間が長くなり、楽しい時間が短くなったということである。頭部は、何人分も、平行して作り進めておくべきであろう。快楽の間を、なるべく空かないようにするには、それしかない。

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