明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



40数年間、男性特に中年から老人専門で作って来た。自分が男だから女性には責任が持てない。同じ製法、材質、サイズで、同じ土俵に男女 を並べられる気がしないのである。初出版の『乱歩 夜の夢こそまこと』(廃版)の時、丁度制作中、撮影でお邪魔した乱歩邸で、乱歩の蔵書を調査中の新保博久さんとその件でお話ししたおり、「黒蜥蜴ができる女性なんかおりますかねえ?」だよなあ。仕方なく女賊黒蜥蜴を作ったが男性像の2倍近い1メートルになってしまった。 それはともかく。小四で目にした墨渓作といわれる一休和尚の顔は、何という顔であろうか。左卜全そっくりだと思った。実見して感銘深かった男の顔といえば、双眼鏡で眺めた来日公演のジョン・リー・フッカーである。床が揺れる観客の熱狂。それを椅子に座ったまま、まるで餌を求めて大騒ぎの池の鯉を眺めるかのような無表情なフッカーであった。



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