現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

真如苑寒修行

2009-02-01 13:52:04 | 心の問題
1/25の大寒から2/3節分まで、真如苑での寒修行。
もう20年参加している。日本国内に6,400ヵ所。
海外60ヵ国に600ヶ所、世界に向けて衛星放送で
画像が配信される。

読経のあと体験談が語られる。

真如苑は醍醐寺の法系を継ぐ真言密教。「まこと修行し
霊位を向上させれば、神通力を得る」という釈尊最後の
教え『大般涅槃教』を拠り所としている。
体験では「不治の病が治った。交通事故に遭ったが大事に
至らず助かった」と不思議な体験が次々と語られる。
タイや台湾、フランス人までもが、真如苑に入信して
「助けられた」と。

しかし真如苑は「ご利益信仰ではないから、病気を治して
欲しい、助けて欲しい、の“求め心”での入信は不可。
あくまで「世の為人の為尽くす“大乗行”に目覚めた時、
融通無碍の神通力が得られるというもの。修行は、自分
を捨て、家庭で社会での和合。

今日の『親鸞』でも、子供の奇病を治す話だ。「人の心の
苦しみを救うのが僧の務め。しかし経典をいくら学んでも
病は治せない」と。ではどうするのか、明日が楽しみ。

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漆黒の闇

2009-02-01 07:02:54 | 五木寛之
中日新聞連載中の五木寛之『親鸞』は、100日間、
京都の中心にある六角堂まで往復する修行に入った。
夕刻に出、明け方に帰るのだ。

さて、私も山で野宿をしたことが何回かある。
満月の時は、月は煌々と山道を照らし、木々の影が
明暗を分ける。「月影」とは月の光でできる影なの
だと初めて気づいた。「星明かり」で「星影」もできる。

ところが、空が曇っていると、山は漆黒の闇だ。一寸
先も見えない。足元も見えないから、一歩も歩けない。
「ガサガサ」と音がした時には、熊でも出たかと恐怖に
おののく。「無明の闇」に嵌った恐怖だ。

今年の正月は伊勢の朝熊山の麓で夜を明かした。
山道を登ろうと思ったが真っ暗。懐中電灯で照らす
と、鹿やら兎やら、猪までもが現われてビックリした。

という経験からして、月明かりのない日は、漆黒の
闇の中を、跳ぶが如く走り抜けることはできないと
思うのだが。さてはて、親鸞はどうやって山を降り
たのだろうか。

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1/31 念ずれば

2009-02-01 06:45:10 | 虚無僧日記
昨夜来の雨は上がって晴れたが、低気圧の通過で
すごい風。春一番ではないそうな。北西の風だ。

「有漏路(うろじ)より 無漏路(むろじ)に帰る一休み
  雨降らば降れ 風吹かば吹け」

とは言っても、雨風に弱い虚無僧だ。名古屋駅前は
ビル風で特に風が強い。天蓋はグラグラ揺れ、飛ば
されそうになる。着物の裾はめくれる。尺八の音も
吹き消される。それに耐えて4時間。いい加減いや
になる。これも修行か。偈箱の中は360円。これでは
帰れない。地下鉄往復460円だから100円の赤字だ。
祈る気持で尺八を吹く。年配の御仁が近寄ってきて
100円いれてくださった。こうなると少し欲が出る。
明日の分もと「あと500円、500円、500円・・・・・・」と
念じていたら、金持ちそうな母子が近づいてきて
500円玉をいれていただく。さらに欲が出て「1000円、
1000円」と念じたら、若い男性が1000円札をいれて
くださった。

1/30 あきらめない

2009-02-01 06:09:44 | 虚無僧日記
夕方から雨になった。時折激しく降る。名古屋の
名鉄前は、アーケードになっていて雨をしのげる。
人通りも少ない。雨の日はタクシーもフル稼働の
はずだが、空車が並ぶ。やはり不況か。
「冷蔵庫は空、所持金90円、餓死」のニュース。
それって私もだ。地下鉄で帰る230円も無い。
無情(情けない)の思いでひたすら尺八を吹く。

若い女性がニコニコ笑顔で近寄ってきた。
「何してるんですか」と。
「虚無僧、ご存知ありませんか」
「なんでそんなもの被ってるんですか」
「己を隠す修行です。我をとれば争いもなくなる
でしょう」

まだ10代か、物怖じしない。くったくない笑顔で
こちらもルンルンになる。お布施はいただけなか
ったがこれが「顔施」だ。布施はお金だけではない。
笑顔を送ることも布施なのだ。元気をもらった。

夜10時を過ぎると物騒になる。しかしまだ帰れない。
「あきらめない、あきらめない」とひたすら念じ、
尺八を吹く。ほろ酔い加減の年配の男性が3人、
タクシーから降りてきた。「おや珍しい」「時代劇
見てるみたいだ」と、それぞれがお金をいれてくれた。
チラッと見に「500円玉」と思ったが、あとで見たら
100円玉だった。幻を見たか。
これで漸く地下鉄に乗って帰れた。お金が入らなけれ
ば、40分、雨の中を歩いて帰らなければならなかった。

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