現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「学生時代一番打ち込んだものは」

2012-03-09 10:14:34 | 社会問題
「か行」は苦手な私。
 カ=カード
 キ=キャッシュ(現金)
 ク=クオーツ(時計)
 ケ=ケータイ
 コ=コンピュータ

時計も財布もカードも持っていない私。
だが「カキクケ」までは持っていない私でも、
最後の「コンピュータ」は手放せない。毎日、
こうしてパソコンとにらめっこ。

現代人は「時計とお金とケータイ」に縛られている。
「ケータイ」というより「メール」だ。

電車の中でも歩行中でも、会議中でもデートの時も
映画館でも「メール」が気になって、たえずケータイを
見ている。時間も「ケータイ」で見る。地図も「ケータイ」。
そのうち各種支払いもケータイで済ませるようになる。

「スマホで済まそ」ってCMあったかな。

こんなCMもあった。

就職の面接で「君が学生時代に 一番“打ち込んだ”
ものは?」「あ、はい、そそ、そう、キーボードです」。
笑えた。

私もそうかも知れぬ。尺八吹く時間より、こうして
キーボードを叩いている時間の方が長い。指を動かす
練習になっていいか。




小さな怪物「ケータイ」

2012-03-09 04:48:47 | 社会問題
「ケータイ小説」といっても、ここでは「ケータイ」を
キーワードにした小説。羽田圭介の『隠し事』。

27歳の会社員の“僕”は、学生時代から7年も
付き合っている“彼女”と同棲中。“彼女”は
ケータイを肌身離さず持ち歩き、一緒にいる時も
黙ってケータイをいじっている。

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フムフム。ホントに最近富に、そういう光景を見る。
電車の中では、みなケータイをみつめているし、
喫茶店でも、カップルがお互い黙ってケータイを
操作している。

ある銀座のクラブの人気No.1の“娘(こ)”を
密着取材している番組があった。彼女目当ての男性は、
彼女が自分の隣に来てくれるまで、高い酒を飲みながら
待つ。やっと彼女が来てくれた。でも会話はふたこと
みこと。彼女はひっきりなしにメールを打っているのだ。
そして5分たつと席を立っていってしまう。男性が
店を出ると彼女からメール。「せっかくいらして
いただいて、さっきはゴメンナサイ」と。それで
男性はもう舞い上がる。彼女からメールをもらった
だけでうれしいのだ。

番組では、「“彼女”が打ったメールの数、なんと
137件と」。

さてさて、羽田圭介『隠し事』。
“彼女”がシャワーを浴びている時、彼女のケータイに
メールが着信し、“僕”は、その名前を見てしまう。
“僕”も知っている男性だ。そこから疑心暗鬼が始まる。
“彼女”が寝ている隙に“僕”は、彼女のケータイを
盗み見ようとする。ハラハラどきどき。

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この小説は「ケータイ」に心奪われ、振り回されて
いく怖さを扱っている。小さなケータイが、次第に
大きな怪物になっていることに気がつかない現代人への
けーこく(警告)なのだ。