ケイの読書日記

個人が書く書評

イズレイル・ザングウィル「ビッグボウの殺人」

2006-07-04 11:18:00 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 12月の霧の深い朝、ロンドンのボウ地区で下宿屋を営む未亡人は、下宿人を起こしに2階へ上がったがドアには鍵がかかり返事はなかった。
 時間をずらして数回ドアをノックしたが全く反応はない。

 悪い胸騒ぎを覚えた未亡人は、近所に住む元警官を呼んでドアをぶち破ると、はたして、そこにはノドをかっ切られて血まみれになった下宿人の死体が……!!



 「こういった密室トリックの古典があるよ」という話は聞いていたが、まさかこれがその作品だったとは!
 最後の最後まで、まったく気が付かなかった。


 これは1891年の作品らしいが、このトリックに当時の人々は本当に意表をつかれたと思う。
 密室トリックの古典的名作。一読の価値あり。



 この作品のもう1つの読みどころは、19世紀末のイギリスの労働者階級がよく描かれている所。
 ホームズやブラウン神父を読んでみても、上流階級が舞台の話ばかりで、労働者階級が主人公になっている話はすごく少ない。


 作者のイズレイル・ザングウィルという人がユダヤ系だからだろうか?
コメント (4)
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