ケイの読書日記

個人が書く書評

村上龍「走れ!タカハシ」

2006-07-13 17:35:22 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 コウイチブログのコウイチさんがブログに感想を書いていらして、面白そうだったので私も読んでみました。

 『タカハシ』とは、1970年代後半から1980年代にかけて広島カープで活躍した高橋慶彦のこと。といっても、若い方で高橋慶彦を知っている人は少ないだろうが、地味な広島球団の中では、珍しく全国的に人気があった選手なのだ。
 その甘い容姿と野球センスによって。

 女優の叶和貴子と噂があり、たびたび週刊誌をにぎわした。バラエティ番組のゲストとしても露出度高し。


 かなり前、山口洋子のエッセイを読んでいる時に、彼の名前と出くわしたことがある。
 山口洋子は直木賞作家だが、銀座の高級クラブのオーナーママでもあり、仕事柄プロ野球選手とも親交があった。

 日本シリーズの最中、広島ベンチに陣中見舞いに行ったら、監督やコーチが生きるか死ぬかの大騒ぎで作戦会議をやっているのに、高橋慶彦は山口洋子の顔を見るなり「彼女とはどうすればいいんでしょう?」みたいな恋愛相談を持ちかけてきたので驚いた、という文章があった。(本当かしら?)

 それほど、女の子に追いかけられていたのである。


 ちなみにこの本は、村上龍と高橋慶彦の対談集ではない。普通の人々を主人公にして(タカハシヨシヒコが、ちょっぴりスパイスとして顔をのぞかせる)軽快なスポーツ短篇集である。

 サッカー大好きな村上龍が書いているなんて意外だが、彼はサッカーでも野球でも、華やかな人が好きなんだろう。
コメント (3)
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