ケイの読書日記

個人が書く書評

ポール・アルテ「赤髯王の呪い」

2006-11-22 23:31:38 | Weblog
 1948年のロンドン。エチエンヌは故郷の兄から届いた手紙に驚く。
 ある晩、兄が物置小屋の中を窓からのぞいてみると、16年前「赤髯王ごっこ」をしたために呪い殺された少女エヴァの姿があったというのだ。 
 エチエンヌは犯罪学者ツイスト博士に当時の状況を物語り始めるが…。


 中篇の「赤髯王の呪い」と、あと3つの短篇が収められています。
 推理小説としては、皆、優れていると思うけど、中にロマンス部分が挿入されていて、それが邪魔だなぁ。ムダというよりジャマです。
 でも、フランス人作家だから、仕方ないか…。国民性なんでしょうか?


 私は最後に収められている、短篇の「コニャック殺人事件」が一番好きです。
 きちんと筋道のたったトリックを使っており、しかも短篇なので、ちょっとブラウン神父を思い出します。
 ただ、短かすぎる。もっと文章をふくらませて中篇ぐらいにすると、読みごたえあるかも。 
 これでは、あまりにもあっさりしすぎて、せっかくのトリックが勿体無い。
コメント (5)
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