ケイの読書日記

個人が書く書評

サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」

2006-11-02 14:56:03 | Weblog
 私はだいたい朝の6:00起床、夜の12:00就寝、という生活をしているので、起きている時間が18時間ほどあるはずですが、最近あまり本が読めない。
 自分では5日に1冊のペースで読もうと思っているのですが…。
 更新する間隔をあまり開けるのもイヤなので、以前読んだ本の紹介をします。


 なんといっても吉田秋生の名作マンガ『バナナフィッシュ』の名づけのもとになったのが、この「NINE STORIES」の最初の短編『A Perfect Day For Bananafish』。
 読んでしまうと、そうたいして面白い話でもないのだが、読む前は吉田秋生の『バナナフィッシュ』の場面が思い出されて、胸がドキドキした。

 しかし、この短編を読んで未知の麻薬の名前にしたとは、吉田秋生もネーミングのセンスがあるね。


 私は話の内容そのものよりも、この短篇集で、アメリカと言う国の豊かさを思い知らされた気がする。

 こんな国と戦争をしたの?負けるに決まってるよ。


 この「バナナフィシュにうってつけの日」は1948年の作品らしいが、登場人物の優雅なこと! 戦争が終わって3年後だが、国土が空襲でボロボロになった日本とは違う、とはいっても元から裕福なのよね。
 もちろん、このサリンジャー自身、とても金持ちのユダヤ人家庭に生まれ育った人らしいが…。

 リゾート地の一流ホテル、ニューヨーク五番街にある高級デパート、ブテック、イヴニングドレス、T.S.エリオットetc…。これが1948年だというんだから驚きです。
コメント (3)
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