ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「異邦の騎士」

2006-11-12 23:16:27 | Weblog
 石岡が出てこない。
 半分まで読んだのに石岡が出てこない。
 もう終わりかけなのに石岡が出てこないゾ!
そう思って読み進めていったら、最後の最後に登場しましたね。

 でも、御手洗と石岡のかけあい漫才が楽しみな私としては、ちょっと残念。


 作品の冒頭、男がベンチで目をさまして自分が誰だかわからずさまよう所から、どんどん話に引き込まれる。でも、アレレ…?!と思ったのが半ば頃に出てくる奥さんの日記。

     ここからはネタバレになるので未読の人は注意!!!


 この日記にはすごく違和感を感じた。
 だいたい、たかが追突事故を亭主に知られたくがないために、ここまで転落していく人っているの? 例えば、免停中で警察沙汰にしたくない、というならともかく事故証明をとり、保険会社が入るのに。

 それに、エレクトーンの講師の資格があるというなら、実家が比較的裕福なはず。亭主に相談できないというなら、絶対実家に相談すると思う。
 なぜ、その実家が葬式の時しか出てこないんだろう。1歳前のかわいい孫娘がいるのだ。ひんぱんに娘の家庭を訪れ「どうしたんだ?元気がないね」と声ぐらいかけるだろう。
 もっとおかしいのは、お嬢さん育ちらしいこの女性が、サエない居酒屋の2Fのアパートに親子3人で入居するだろうか?独身だったらともかく。

 次から次へと疑問点が出てきて、これはみんな罠なんだ、という事がわかる。
 
コメント (4)
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