ケイの読書日記

個人が書く書評

木々高太郎「睡り人形」

2008-07-02 10:23:02 | Weblog
 たかさんが以前ブログで、『睡り人形』は木々高太郎の変態趣味爆発と書いていらしたので、期待に胸弾ませドキドキしながら読んだが…そんな変態的とも感じなかった。

 これは個人差と言うより、男女差によるものかもしれない。どうしても女の方が受身である事に寛容だから。


 天才肌の医学者が、自分の愛妻達(前妻と後妻)を医学的知識を悪用し、睡り人形にして愛撫する、というストーリー。
 昭和10年の作品なので、当時の検閲で引っ掛かって(三字削除)とか(二百八十字削除)とかいう箇所が、あちこちにある。ここにどういった卑猥な言葉や文章が書かれていたんだろう、と想像しちゃうね。


 しかし私にとっては、江戸川乱歩の『人間椅子』の方がよっぽど変態的です。江戸川乱歩って女にモテモテだったろうに、どうしてああいったストーカー男の感情が上手く書けるんだろう。本当に不思議。

 乱歩の小説って後味が悪いものが多いのよね。そういう所を乱歩独特の美意識と評価する人も多いだろうけど、私にはついていけないなぁ。
コメント (2)
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