私はこの推理小説の犯人を初めから知っていた。
それは以前に読んだのを覚えていたという訳ではない。このトリック、というか設定は一種独特で、発表当時「これはミステリーとして掟破りだ」という議論がわきあがった事を知っているからだ。
しかし、最初から犯人を知っていて読むというのも中々味わい深いものがある。
だいたい、犯人から見ればすごく単純な構図なのである。
金持ちの夫人が自殺した。どうも前夫に毒を盛って病死に見せかけたことを知られ、脅迫されていたらしい。
その秘密をアクロイド氏に打ち明けようとしたが、氏は脅迫者に殺されたらしい。
この単純な図式に、色んな秘密を持った人がからんで、ややこやしくなった様に見えるだけだ。おまけにアクロイド氏は大変な金持ちで、まわりは金に困っている人ばかりだった。
しかし最初に戻って考えると、毒を盛って病死に見せかけたという事を知るのは○○しか、いないではないか!!
他の者が色々情報を集めたとしても、噂の域を出るものではない。突っぱねれば良い。
しかし○○だったら、もう言い逃れはできないだろう。基本に戻ればすぐ分かる事である。
この作品は、細かい所にも伏線を沢山用意して、それをキレイに解決していく所が見事である。
例えば引き出された安楽椅子、シェパード医師の所にかかってきた電話、彼が殺人現場に持って行った黒かばん。
謎解きするとなーんだ、とガッカリする事があるが、この小説のディテールは、なるほどそうだったのか!と感心することばかり、本当によく出来ている。名作と言われる所以です。
それに登場人物がいい。とくにキャロライン。ミス・マープルを少し落とした感じ。
また、常々思っていることだが、クリスティは女性の容姿をいつも大変褒めている。ここではフロラ、アシュラ・ボーン達が大変美しい女性として描かれているが、他の小説でもキレイな人を沢山登場させている。
英国ってそんなに美人が多いのかなぁ。女が女を見る目は厳しいと思うが、クリスティは優しいね。
また、召使が主人をゆする事は珍しくないようです。彼らは仕事だからご主人様と言っているだけで、実際、主従関係にあるわけではない。
それは以前に読んだのを覚えていたという訳ではない。このトリック、というか設定は一種独特で、発表当時「これはミステリーとして掟破りだ」という議論がわきあがった事を知っているからだ。
しかし、最初から犯人を知っていて読むというのも中々味わい深いものがある。
だいたい、犯人から見ればすごく単純な構図なのである。
金持ちの夫人が自殺した。どうも前夫に毒を盛って病死に見せかけたことを知られ、脅迫されていたらしい。
その秘密をアクロイド氏に打ち明けようとしたが、氏は脅迫者に殺されたらしい。
この単純な図式に、色んな秘密を持った人がからんで、ややこやしくなった様に見えるだけだ。おまけにアクロイド氏は大変な金持ちで、まわりは金に困っている人ばかりだった。
しかし最初に戻って考えると、毒を盛って病死に見せかけたという事を知るのは○○しか、いないではないか!!
他の者が色々情報を集めたとしても、噂の域を出るものではない。突っぱねれば良い。
しかし○○だったら、もう言い逃れはできないだろう。基本に戻ればすぐ分かる事である。
この作品は、細かい所にも伏線を沢山用意して、それをキレイに解決していく所が見事である。
例えば引き出された安楽椅子、シェパード医師の所にかかってきた電話、彼が殺人現場に持って行った黒かばん。
謎解きするとなーんだ、とガッカリする事があるが、この小説のディテールは、なるほどそうだったのか!と感心することばかり、本当によく出来ている。名作と言われる所以です。
それに登場人物がいい。とくにキャロライン。ミス・マープルを少し落とした感じ。
また、常々思っていることだが、クリスティは女性の容姿をいつも大変褒めている。ここではフロラ、アシュラ・ボーン達が大変美しい女性として描かれているが、他の小説でもキレイな人を沢山登場させている。
英国ってそんなに美人が多いのかなぁ。女が女を見る目は厳しいと思うが、クリスティは優しいね。
また、召使が主人をゆする事は珍しくないようです。彼らは仕事だからご主人様と言っているだけで、実際、主従関係にあるわけではない。