ケイの読書日記

個人が書く書評

クレイトン・ロースン「帽子から飛び出した死」

2008-07-22 14:32:18 | Weblog
 この作品は、二階堂黎人が褒めていたので是非読まなくっちゃと楽しみに読み始めたが…翻訳が悪いのか、私の頭が悪いのか、どうもうまく作品になじめない。読みづらい。

 暑くて睡眠不足のせいか、数ページ読むと眠くなるのだ。そういった自分の体調不良を差し引いても…どうかなぁ、そんなに良い作品とも思えないね。
 とにかくゴチャゴチャしすぎている。


 サバット博士と言う神秘学研究家が、密室の中で殺され容疑者は『世紀の脱出王』と呼ばれた男。
 登場人物のほとんどが奇術師で、探偵役も奇術師。その他、奇術師の助手の女性とか霊媒とか素人マジシャンとか、そういった濃い人たちが山盛りなのだ。
 証拠も簡単にすりかえられちゃうし。

 誰が犯人でも納得できる。というかあまり意味がない。


 それよりも作品にチベットの事がよく出てくるので驚いた。いかに当時の欧米人が、チベットを超常現象の国として畏怖していたかがよく分かる。
 そういえば、ホームズもモディリアニ教授と闘い、一緒に滝つぼに落ちて死んだと思われていたときにチベットで修行していたのだ。

 現在、ヨーロッパやアメリカが、チベット独立派に肩入れするのも理解できるね。少なくともこの時点では(1930年代)チベットは独立国だったのだ。
コメント
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