ケイの読書日記

個人が書く書評

フィッジェラルド「華麗なるギャッピー」

2009-01-09 10:03:08 | Weblog
 名作といわれる作品。映画化もされたし、タカラヅカで舞台化もされている。しかし、私の頭が悪いのか、翻訳が悪いのか(翻訳者は大貫三郎)どうもよくわからない。

 自分を捨てて金持ちの男に走った女を見返すために、不正な手段を使って自分も金持ちになり、結局は破滅していく男の話。
 1920年代前半の世界恐慌前のバブル絶好調期のアメリカN.Y.が舞台。素晴らしく贅沢な時代だったみたいね。

 私はアメリカ式パーティの形式は知らないが、いくら大きなパーティを開いたって、主催者から招待されていない、主催者に挨拶もしない、勝手に行って勝手に飲み食いし遊んで勝手に帰ってくる、なんてこと出来るんだろうか?
 それどころか、勝手に屋敷に上がりこみ部屋を使い寝泊りする。

 さすがにそういった下宿人みたいになってしまった人は、ギャッピーと面識はあるが世話されていた恩義を感じるわけでもなく、テニスの約束があるから彼の葬式に参加できないと平気で言ったり…。
 ギャッピーの開いた盛大なパーティの大勢の参加者は一体どこに行ってしまったんだろう? 彼のお葬式は本当に寂しいものだったみたいよ。

 ギャッピーは殺されてしまったが、殺されなくても遅かれ早かれ没落の運命をたどったであろう事はよくわかる。
 彼が自分を捨てた女を取り戻し、幸福の絶頂で1929年の世界恐慌が起こったら…もっとドラマッチックだろうね。
コメント
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