ケイの読書日記

個人が書く書評

麻耶雄嵩「翼ある闇」

2009-01-14 10:00:54 | Weblog
 麻耶雄嵩の作品を初めて読んだ。面白いけど本当に疲れる。作者のサービス精神が旺盛なせいか、どんでん返しの連続で消耗します。
 こうなると犯人が宇宙人でも、私は驚かないね。

 読み出すと、まず綾辻行人の館シリーズを思い出し、その次に『黒死館殺人事件』『ドグラマグラ』等々が思い出され、ゴチャゴチャ。
 エラリー・クインのエッセンスも入っているし、最後にロシア皇女まで出てきて、いい加減にしてくれと言いたい。
 マニアックに凝るのはいいが、もう少しスッキリできないんだろうか?

 名探偵が2人登場。木更津悠也とメルカトル鮎。木更津もあまり友達になりたくないタイプだが、メルカトル鮎にいたっては、半径10M以内に近づきたくないタイプである。

 名探偵が登場してもどんどん人が殺されるのは、金田一シリーズでお馴染みだが、この作品ではなんと10人。いっくらなんでもヒドイんじゃない?探偵などいてもいなくても同じ。

 木更津はあや取りしながら推理するからのび太を思い出すし、メルカトル鮎はチャップリンに似ているらしい。これってコメディ?


 悪口ばかり書いてしまったが、麻耶雄嵩のデビュー作で作者の意気込みが感じられる作品。一読の価値あり。

 
コメント (2)
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