ケイの読書日記

個人が書く書評

宇江佐真理「髪結い伊三次捕り物余話・紫紺のつばめ」

2009-01-29 16:14:25 | Weblog
 「グータラは生活習慣病」というのは本当だと思うので、私も生活をもっとキチンとします。

 第一作の「幻の声」からずっと贔屓にしているシリーズ。時代劇ってあまり好きではないが、これは2度も3度も読める作品だと思う。
 私の時代劇嫌いはなかなか頑固で、あの宮部みゆきさんの評判の時代劇作品もさほど読みたいとは思わない。
 でもこれは…やっぱり髪結い伊三次に魅力があるのかなぁ。何度でも読んでしまう。

 『菜の花の戦ぐ岸辺』ここでは、なんと伊三次が下手人に間違えられ、捕らえられてしまう。真犯人はすぐ捕まるのだが、自分の直接の上司・不破友之進が自分を信じてくれなかったと、大変ショックを受け不破の手下を辞めてしまう。
 最終的には、また元の鞘に戻るようだが、ハラハラドキドキ、引き込まれる。

 (ところで「戦ぐ」で「そよぐ」と読むんですね。初めて知りました)

 最後に『摩利支天横丁の月』という作品がある。作品自体はどうってことない話だが、摩利支天という名に胸がきゅんとなる。
 かなり古いが木原敏江の名作マンガ『摩利と新吾』の摩利はこの摩利支天から取ったらしい。
 武家の守り神、戦いの神、本を読んでいると、こうした断片的な知識がつながって、私の好きなマンガや小説とオーバーラップしていくから楽しい。
コメント
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