長野県、黒姫山と妙高山のふもとの小さな村、鬼蟻村。そこで先祖代々造り酒屋を営んできた上鬼頭家に起こる不可解な連続殺人。
実はこの家には70年も前にも、鬼が人を斬り殺し消失したという奇妙な事件が起こっていたのだ…。
二階堂黎人の作品ってとても親切だと思う。手掛かりはちゃんと提示されていて「こんなんアリーっ?!」って読者が憤慨するトリックも少ない。とくに70年前の鬼が消失する事件はとてもわかりやすい。
水乃サトルのシリーズは蘭子シリーズの禍々しさが薄く、平易な文章でとても読みやい。
ただ、動機が…ね。あまりにも無理なこじ付けではないだろうか? 旧家物ってそういうことが多い。
横溝正史の『本陣殺人事件』も、秀作だとは思うが、動機には納得できない。片田舎の潰れかけた旧家の体面がそれほど大事だとは思えないけど。それよりも「殺人事件が起こった家」という方がよっぽど体面が悪いと思う。
それに、この「鬼蟻村マジック」は計算するとどうも平成7年頃の長野県の山奥の話だが、中1の女の子が市松人形を抱きかかえていたり、造り酒屋の家業を継がせようと、跡取り息子を進学させずみっちりと酒蔵で修行させようとしたり…
昭和20年代だったら分かるけど、平成7年にはそぐわないよ。時代錯誤。
そういった違和感はあるけど、トリックがしっかりしていて出来の良い作品。
実はこの家には70年も前にも、鬼が人を斬り殺し消失したという奇妙な事件が起こっていたのだ…。
二階堂黎人の作品ってとても親切だと思う。手掛かりはちゃんと提示されていて「こんなんアリーっ?!」って読者が憤慨するトリックも少ない。とくに70年前の鬼が消失する事件はとてもわかりやすい。
水乃サトルのシリーズは蘭子シリーズの禍々しさが薄く、平易な文章でとても読みやい。
ただ、動機が…ね。あまりにも無理なこじ付けではないだろうか? 旧家物ってそういうことが多い。
横溝正史の『本陣殺人事件』も、秀作だとは思うが、動機には納得できない。片田舎の潰れかけた旧家の体面がそれほど大事だとは思えないけど。それよりも「殺人事件が起こった家」という方がよっぽど体面が悪いと思う。
それに、この「鬼蟻村マジック」は計算するとどうも平成7年頃の長野県の山奥の話だが、中1の女の子が市松人形を抱きかかえていたり、造り酒屋の家業を継がせようと、跡取り息子を進学させずみっちりと酒蔵で修行させようとしたり…
昭和20年代だったら分かるけど、平成7年にはそぐわないよ。時代錯誤。
そういった違和感はあるけど、トリックがしっかりしていて出来の良い作品。