ケイの読書日記

個人が書く書評

衿野未矢「依存症の女たち」

2009-06-23 11:24:15 | Weblog
 筆者は元レディスコミック雑誌編集者で、28歳でフリーライターとなり36歳から依存症をテーマにして書いている。
 編集者時代に精神のバランスをくずし、買い物依存症になる。それがきっかけで依存症をテーマにすることになった。

 『買い物依存症』と言う名を初めて聞いた時、なんて幸せな病気なんだろう。はたして病気と言えるのか、とも思ったが、実際に本やテレビで事例を見ると、なかなか大変な病気です。
 私の亭主も少し『買い物依存症』っぽい所がある。

 この本には色んな人が出てくる。印象的なのは『海外旅行依存症』のユミコさん。後悔するのが分かっているのに「楽しいのは初日だけ」の海外旅行に出かけて行く。なぜ?「現実逃避」なのだ。

 物書きになりたいと言う主婦キヨコさん。筆者がライターだときいて自分の書いた原稿を持って来た。
 新人賞に応募するんじゃなくて、自分の原稿を筆者に依頼して編集者に読んでもらおうとする。
 よくある話だ。断られると、物書きになるのをあっという間にあきらめ、陶芸家の元に弟子入り。初めは夢中になっていたが、だんだんに愚痴が出てきて、最後は陶芸家と大ゲンカして家に戻った。 
 その次が、農家に滞在し米つくりの手伝いをしているという。
 よっぽど彼女の中で「何かしなくちゃ。私は何のために生まれてきたの?」という葛藤があるんだろう。

 最後に、正義に酔うノブコさんの例。実は私の性格もこの人にダブる所が多い。友人があまりいないんだろう。サークルとか部活とか、そういう小規模の組織に依存して自分の存在意義を確かめるのだ。
コメント (2)
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