ケイの読書日記

個人が書く書評

角田光代「あしたはうんと遠くにいこう」

2009-06-13 11:05:25 | 角田光代
 帯には

   今度こそ幸せになりたい。
   ある女の子のせつない恋愛生活15年を描く
   角田光代のはじめての恋愛小説。

 と書かれてあるが、江國香織のような恋愛小説を期待したらまったくのハズレ。
当たり前だよね。だって角田光代だもの。

 高校3年生(1985年)から32歳(2000年)までの、ある女性の恋愛遍歴を書いている。オトコはつぎつぎ代わりオトコの質もどんどん低下していく。あんた、シノザキさんなんて、どっから見てもストーカー予備軍だよ。早く逃げるんだって!と作中の女の子に怒鳴ってやりたくなる。

 とにかく疲れる。読み終えてグッタリ。しっかしこの女の人もなぁ。子どもは要らないとはっきり決めているなら、どうしてオトコと暮らしたがるのかなぁ。外で会えばいいのに。
 一緒に暮らすということは、余分な荷物を背負い込むのと同じ。なまじっか人間なだけに一方的に放り出す訳にもいかなくなっちゃうよ。

 オトコがいなくなって、空間にポッカリ穴が空いて寂しいなら、ピカチュウの縫いぐるみでも置いとけ!! ハム太郎でもいいぞ!

 まだ誰とも付き合ったことが無い人でも、読み終えれば、オトコはもうコリゴリと思わせる一冊。
コメント (2)
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