ケイの読書日記

個人が書く書評

衿野未矢「依存症の男と女たち」

2009-06-28 10:23:10 | Weblog
 これも前作と同じテーマ。前作の評判が良かったのだろう。つまりイジワルな言い方をすれば、フリーライターの衿野未矢さんは“依存症”という金の鉱脈を掘り当てた事になる。これからも、どんどん依存症患者は増え続けていくだろうから。

 このルポでは、第1章「もたれあう人々」の所が強く印象に残った。
 資格に逃げる雅夫さん。彼は自分の能力と学歴に並々ならぬ自信を抱いている。その一方で、その能力と学歴はまだ彼の生活を支えるに足る収入を生み出していない。というより、自力では食えずにいる。

 裕福で高学歴な人に、こういった人は結構いるんじゃないかな。
 しかし…「資格有でコミュニケーション能力の低い人」と「資格無でコミュニケーション能力の高い人」では、どちらが生きていく上で有利かといえば、後者であることは間違いない。

 人に頭を下げるのは好きじゃない人が、自分で事務所を開くという事は無理。顧客をどうやってつかまえる気なんだろう。親のコネ? でも顧客をずっと維持していくのは人間的魅力も必要だと思う。

 まず、どこかの事務所で実地に働かなければ。弁護士だっていきなり開業する人はいないだろう。
 彼はこの先どうするんだろう。親の資産が無くなるまで勉強するんだろうか?
コメント
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