ケイの読書日記

個人が書く書評

山田風太郎「戦中派不戦日記(昭和20年1月~3月)」

2009-07-18 12:30:31 | Weblog
 本が読めない。忙しいという事もあるが、しばらく読書してないと非読書モードになってしまって、なかなか読めないのだ。
 こうなると5日に1度のブログ更新が難しくなる。こういう時は、以前読んでまだブログに載せてない感想をUPするのだが、その手持ちの感想も残り少なくなってきたので考える。
 そうだ!読んだ所まで分割して感想をUPすればいいのだ。

 特にこの山田風太郎の「戦中派不戦日記(昭和20年1月~12月)」のような長編で内容の濃い作品が、1回で感想を書ききれる訳は無い!と勝手な理屈をつける。

 このタイトルの「不戦」は、山田風太郎が戦争拒否と言っている訳ではない。彼は招集されるべき年齢だが、医学生のためか兵隊に行ってないので「戦ってない」という意味で「不戦」と付けたと思われる。


 さすが昭和20年に入ると敗戦色が濃くなってくる。あちこちで何度も大規模な空爆があり、多数の死者がでて町は破壊され瓦礫の山となる。
 さすがにこの頃になると、一般市民の中にも「日本は負ける」と公然と口にするものも出てくる。(憲兵は何してるんだろ?)
 当たり前だよね。東京の上空を、アメリカの戦闘機B29が我が物顔に飛び回っているのに、日本は制空権をアメリカに牛耳られていて、全く反撃できない。

 「日本海軍は何をやってんだ!」「海の底に皆、沈んでるのさ」こういった言い争いが学生間でも起こる。

 でも、この時でもなお、大多数の日本人は「いや、これは作戦なのだ」「いまに反撃の大作戦が開始される」と信じて疑わなかったんじゃないだろうか?

 同盟国ドイツの惨状も報じられている。そうだよね。日本よりも前に無条件降伏してるものね。
コメント (4)
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