ケイの読書日記

個人が書く書評

カーター・ディクスン「読者よ、欺かるるなかれ」

2009-10-01 14:54:12 | Weblog
 女流作家マイナが催した、読心術師ペニイクを迎えての夕食会。招待客の心を次々と当てたペニイクは、さらにマイナの夫の死を予言する。
 はたして予言の時刻、衆人環視の中で、夫は原因不明の死をとげた。
 ペニイクは念力で殺したと言うが、それでは逮捕できない。遅れて到着したH.メルヴェル卿にペニイクは新たな殺人を予告するが…。

 カーにしてはオカルト色が薄く、ちょっと物足りない。肝心のトリックだが、偶然がそんなに何度も続くものか…とは思うが、なんといっても、カー大先生だから納得するしかないね。


 1937年のイギリスという設定だから、時節柄、ヒットラーとかムッソリーニとかいった固有名詞が出てくる。
 ペニイクよ!念力で人が殺せるなら、マラリヤで死にかかった老人を殺すんじゃなくて、イギリスの敵・ヒットラーやムッソリーニを呪い殺さんかい!!
 それができれば、英雄になれるゾ!

 同じ事が現代の日本でもいえる。
 自称・超能力者の皆さん、せっかく超能力があるのなら、タレントの結婚年齢なんか当てるんじゃなくて、キムジョンイルの余命が何年か(何ヶ月か)当ててみぃ!せっかくの能力を世界平和に役立ててください。超能力がもし、本当にあるとするなら…ね。
コメント
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