ケイの読書日記

個人が書く書評

香山リカ「しがみつかない生き方」

2009-10-11 10:33:24 | Weblog
 私にしては珍しく、図書館で借りたのではなく本屋さんで買った。お財布の中に図書カードがあったし、タイトルにも惹かれて。
 「普通の幸せ」を手に入れる10のルール。特に第10章「勝間和代を目指さない」が気に入りました。

 香山リカは、すごく多数の著書があって皆読んだわけではないが、毒にも薬にもならない本や、専門的過ぎて理解できない本が多かったが、この『しがみつかない生き方』は具体的でためになると思う。

 第9章「生まれた意味を問わない」は中々考えさせられる。
 一般的に「生まれてきた意味を考える」ことはとても価値があることで、生まれてきた意味がある人間は素晴らしい人間だ、と見なされがちだが、香山リカはそれに疑問を呈する。
 これまで彼女が会った中で「このために生まれた」という確信が揺らがなかった人は2種類いたそうだ。

 ひとつは新興宗教や悪徳ビジネスなどで洗脳された人たち。「私はグルにお仕えするためだけに生まれてきたのです」「この商品を世界に広めるのが生きる目的だと気が付きました」

 もうひとつは、ある種の精神病で強烈な妄想を持った人たち。「私は世界を救う救世主なのです。昨日、宇宙の声が聞こえました。今日から街頭で演説して人々を救います」

 こういうのを読むと、人間は悩みながら行きつ戻りつするのが本来の姿だと思うね。

 それにしても、精神科の診療室って空気吸うだけで疲れそう。精神科の医師が他の精神科を受診したりするのは、多いんだろうか?
 
コメント
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