ケイの読書日記

個人が書く書評

ディクスン・カー「蝋人形館の殺人」

2011-05-13 14:53:22 | Weblog
 前回読んだのは児童書だったので、今回は県立図書館から取り寄せてもらった。
 たかさんがコメントで書いていらしたとおり、ハヤカワポケットミステリでしか出版されていないみたいね。
 つまり、評判があまりよくないという事か…。でも、私は興味深く読めた。

 
 蝋人形館に入館したオデットという元大臣の令嬢が行方不明になり、翌日水死体で発見される。その事件を調べていたパリ警視庁のバンコランは、オデットの友人・クローディンの刺殺死体を蝋人形館で発見する。
 さらに捜査を進めていくうちに、パリ上流階級専用の秘密クラブの存在が浮かび上がり…。

 それにしても、元大臣の奥方(オデットの母)が秘密クラブの会員だったとは…。元大臣がピストル自殺したのは、それを強請られたからだろうか?(ハッキリした事は書かれていない)

 ミステリというよりサスペンス。たいしたトリック無し。


 気に入ったのは、やはりバンコラン。容姿はメフィストフェレスを枯らしたカンジらしい。やっぱり名探偵はこうじゃなくっちゃ。
 赤ら顔でビヤ樽体型の、有名なフェル博士やヘンリ・メルヴェル卿は私としてはNG。
 もっとアンリ・バンコランを活躍させて欲しかったのに、初期の作品にしか登場しないようだ。

 アングロ・サクソン系のカーにとって、フランス人探偵はあまり魅力が無いのかな?
コメント (2)
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