ケイの読書日記

個人が書く書評

貴志祐介「鍵のかかった部屋」

2013-01-24 14:21:07 | Weblog
 図書館で予約して、半年以上待ってやっと手元に。ああ、待ち遠しかった。

 「佇む男」「鍵のかかった部屋」「歪んだ箱」「密室劇場」期待を裏切らない面白さの4作品。

 しかし…これは、やはり私が先にTVドラマを見ていたせいかな、とも思う。

 自称・防犯コンサルタントの榎本(実体は…泥棒?)を名探偵役とするこのシリーズは、今時珍しいド本格の王道・密室殺人トリック物なので、映像を見ずに文章だけで謎を解こうとすると、難解。
 高度な文章読解力と想像力が必要なんじゃないかな?その両方を持たない私は、先に小説を読んでしまうとチンプンカンプンで、TVシリーズを見る気が失せたかもしれない。
 もっと図を入れて欲しい。

 だいたい、名作として名高い横溝正史の「本陣殺人事件」も、斬新なトリックだとは思うが、その屋敷や部屋、廊下、家具などを見てないので、そのトリックが可能かどうかわからない。

 まぁ、この4作品とも実現可能かと言われれば、なかなか難しいだろう。でも、筆者が密室トリックに真摯に向き合っているという熱意はひしひしと感じるね。

 欲を言えば、もう少し弁護士の純子と泥棒探偵?榎本の掛け合い漫才を読みたかったな。榎本の純子に対する淡い恋心が書かれていなたっかので、ちょっと残念。
 やはり、これは同じシリーズの「狐火の家」も読まなければ!!
コメント
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