ケイの読書日記

個人が書く書評

種村季弘 「雨の日はソファで散歩」

2014-07-05 12:54:29 | Weblog
 作品は読んだ事ないけど、種村氏の名前だけは知っていた。この題名が、自分の気分にぴったりなので、借りてみる。
 本来は、この人、独文学者で評論家、エッセイストなんだって。 
 1933年(昭和8年)東京・池袋の生まれ。そうだろうなぁ。昭和ヒトケタの匂いがプンプンするもの。この時代の人って、本当にお酒が好きだなぁ。酒を飲まない奴なんかクズだという感覚。

 このエッセイ集の最後の方で「だけど、今の人たちは酒を飲まなくなったねぇ。ファーストフードと立ち飲みのコーヒーで、人間関係が作れるもんなのかねぇ。僕らの頃は、学校なんて行かないで、飲んでたんだよ。」という記述があるけど、そうだろうね。この人たちは、朝っぱらから飲んでる。下手すりゃ何日も飲んでる。しかも酒癖が悪い。文壇バーに行くのが、一種のステイタス。
 しかしねぇ、地方の滅多に手に入らない幻の地酒っていったって、ぐでんぐでんに酔っぱらっているんだもの。何を飲んでもわかりゃしないよ。
 それを、さも自慢げに書くから…ああ、嫌だ嫌だ。


 昭和7年生まれの実家の母も、お酒大好き。どうしても切れない。(父はとっくに亡くなっている)コップ1杯ほどの日本酒を毎晩飲んでいるが、本人に言わせると、「こんなの、飲んだうちにはいらない」そうだ。
 お医者さんから、止めるように言われている。私がしつこく「やめたら?」と言うと「人をアル中みたいに言うな!」と怒るが、立派なアル中ですよ。だって自分の意志では止められないんでしょ?
 この時代の人って、「酒を飲まない人は、つまんない人」という刷り込みがあるからね。お酒飲まなくても、十分楽しく暮らせます。


 そうそう、種村氏の都立大学助教授時代の同僚の英文学者が、大学を辞めてロンドンに行ったが、英語が通じなかったんだって。1970年ごろの話。40年以上前の話にしても…悲しいです。
コメント
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