ケイの読書日記

個人が書く書評

上野千鶴子・信田さよ子共著「結婚帝国 女の岐れ道」

2006-10-22 17:37:01 | Weblog
 2年ほど前に買って読み始めたが、カタカナの専門用語が多かったので、途中でほかってしまった。
 しかし、それではあまりにも情けないと、今回頑張って最後まで読み通す。


 上野千鶴子は、あの社会学者の上野千鶴子。対談相手の信田さよ子は、臨床心理士、原宿カウンセリングセンター所長。私は知らなかったが、業界では結構有名な人らしい。


 こういった本を読むといつも不思議に思うのだが、なぜ彼女たちはそんなに単純に「男=支配者、権力者  女=被支配者、虐げられた性」と声高に叫ぶのだろうか?
 たしかに単純に図形化しなければ理論化できないのかもしれないが、あまりにも雑で大雑把。


 例えば、父親が幼いわが娘をお風呂に入れる。「うちの子はホントにかわいいなぁ。こんなカワイイ子を他所の男の所へ嫁にやるなんて許せん!! その前にオレが一発やってやる」

 確かに下品な発言だが、この言葉をもって「オマエは自分の娘に言葉による性的虐待をした。けしからん!!」と糾弾するのは、ちょっと父親が気の毒なような気がする。


 また、信田はカウンセラーの現場で「実父や実兄からレイプされた」という相談を受ける事もあるだろうが、それをすべて真に受けるのはどうかと思う。
 それとも、カウンセラーは決して患者の言葉を疑ってはいけないのだろうか?

 でも、事実でないことも混じっているんじゃなかろうか?
 「そんなつらい経験で嘘をつくわけがない」と思う人は多いだろうが、近親相姦を恐れるあまり、頭の中が妄想でいっぱいになる事もあるのだ。

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3 コメント

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結婚 (oda)
2006-12-31 20:14:13
こんにちは。表題作は一年前に読みました。上野さんと信田さんは他でも対談なさっています。結婚について論議するのは30代のシングル女性を救うためなのだそうです。フェミニズムの教条主義には辟易だと小谷野さんや内田さんが言っていますが、私はフェミニストの自己中心的で、自分は全能だとわめく態度にうんざりしています。彼らは教祖と讃えられたいから勝手に言ってるだけなのではないですか。

この本の主張は、結婚する人は哀れな馬鹿だに尽きる。では、代替案はー今までの制度を打ち破る革新的な案があるのか、と思うと、そんなものはどこにもない。あおっておいてそれは無責任なと思うのですが。

また、対象になっている30代シングルや日本人について、学者がどれだけ知っているのか疑問です。彼らは象牙の塔にこもって、特権的な、限定された人に会い、データー分析するだけでしょう。ゲイのみならず大多数の日本人を考慮して書かれた本ではないと考えられます。

この本を読んで、役に立つのはフェミニスト論文を書かなければいけない人々とフェミニストとフェミニストに対して理解のある姿勢を示さないといけないひとだけではないでしょうか。


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コウイチさんへ (kei)
2006-10-23 14:07:47
 コメントありがとうございます。



 上野千鶴子という人は……どういう人なのかな。彼女の講演会があれば行ってみたいと思っているのですが。



 女としての資源を十二分に使ったと言う意味の発言があります。うらやましいですね。

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Unknown (コウイチ)
2006-10-23 09:31:25
こんにちは。

上野千鶴子はちょっとした独立戦争のようなものをしている感じなのでしょうね。

それに芯から共感して信奉している人はまだいいのですが、空気としてなんとなく、という人も結構いて、差別というのがなんなのか自分の頭で考えてないような人が多いのが気になります。

最近の右傾化風潮と似たようなところがありますね。

数を増やすのは必要とはいえ本気なのは常に一部なのでどうしても反対勢力から足をすくわれやすく、不毛な議論で終わりやすいですね。
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