ケイの読書日記

個人が書く書評

三浦しをん 「乙女なげやり」  新潮文庫

2018-11-20 15:22:03 | 三浦しをん
 三浦しをんさんは、デビューが結構早い。24歳。で、このエッセイ集は、彼女の20代半ばから後半の日常を綴ったもの。
 まだ実家暮らしだが、だんだん仕事量も増えてきて収入もUP! 仕事場を外で借りようとしている。おお! 順調な仕事ぶり!

 エッセイ内では、よく弟さんの事を書いている。どうもまだ学生さんらしい。勤め人ではないようだ。しをんさんは全く男っ気がないので、弟さんといちゃつこうとするが、すげなくあしらわれる。「あっ、ブタさん」とか呼ばれて。
 弟さんの動向にも興味を示す。弟さんと近所の友人ジロウ君が、深夜のドライブを楽しんでいるのに嫉妬し、あれやこれや邪推する。どーーーして、しをんさんはいつも話をBL仕様にするのかね。まっ、楽しいけど。

 私には弟はいないからよく分からないが、やっぱり姉にとって弟とは可愛いものなんだろうか? 出産する時も、一姫二太郎。最初は女の子が生まれ、次に男の子が生まれるのが望ましいなんて言われる。(女の子1人、男の子2人の割合が望ましいという説もある)

 姉弟と言うと、私には真っ先に、群ようこ姉弟を思い出す。今は、お母さんの介護や経済的なあれこれがあって仲が悪いが、子供の頃は仲良しで、群さんのエッセイによく弟さんが登場した。 お姉さんが売れっ子作家になってからは、そのお金をあてに、弟さんのおねだりが激しくなったが、何百万もするようなエレキギターの購入費用をポンと出してあげるんだもの、やっぱり可愛かったんだろう。

 そうそう、現役時代はロッテで三冠王を獲った元中日監督の落合も、お姉さん大好き子だったみたいね。奥さんも9歳年上姉さん女房。
 お姉さんがいる男って大成するって話を聞いた事がある。坂本龍馬と乙女姉さんなんて有名。でも龍馬が結婚すると、新妻に邪魔にされちゃうんだよね。現代でも同じ。

 しかしね、しをんさん。エッセイに弟など登場させてどうする? 元カレ、今カレを登場させんしゃい!! 20代半ばから後半、人生で一番フェロモンが出ているであろうこの年代に、異性の登場が父親と弟だけとは…。
 低恋愛体質のしをんさんが大好きだが、やはり現世の幸せも追求してもらいたい。

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