ケイの読書日記

個人が書く書評

たもさん 「カルト宗教 信じてました」 彩図社

2018-11-26 10:45:55 | その他
 『エホバの証人2世』の私が、25年の信仰を捨てた理由  というサブタイトルが付いている。

 たもさんのお母さんは、たもさん小学校5年生の時『エホバの証人』に入信。姉弟4人の中で上から2番目のたもさんが、一番お母さん子だったんだろう、エホバの証人の集会について行くようになり、どっぷりと宗教につかって、13歳でバプテスマ(洗礼のようなもの)を受けて、正式にエホバの証人になった。
 13歳、つまり中学1年か2年の時。自らの意志とは言え、ちょっと早いような…。
 キリスト教圏では、生まれてすぐ洗礼を受けるのが普通じゃん?という声が聞こえてきそうだが、なんといっても世間的にはカルト宗教。成人するまで周囲が待つように諭すべきだと思う。

 エホバの証人の信者という事が周囲に分かってしまっているから、学校ではクラスメートから距離を置かれることが、よくあったみたい。学校には居場所が無くて、エホバの証人のコミュニティで自分は受け入れられている、ここが自分のいるべき場所だ、と思い込んでしまったんだろうね。

 この思い込みを吹っ飛ばすのが、息子さんの病気だった。たもさんは25歳の時、同じエホバの証人の旦那様と結婚。かわいい男の子を生んだ。この息子さんが4歳の時、重い病気を発症。血液製剤を投与し、輸血の必要があるかもしれないと、同意書にサインを求められる。

 エホバの証人は、学校現場でもめることが多く、柔道や剣道、ボクシングなどの闘う教義はNG。でも一番NGで有名なのは輸血拒否。実際、昔これで親が未成年の子供の輸血を拒否し、死亡したことがあったらしい。
 今は、そういう場合、病院は輸血拒否した親を裁判所に訴えて、親権を停止し輸血を強行するようだ。

 結局、たもさんたち夫婦は、輸血の同意書にサインし、教義に疑問を持つようになり信者をやめる。親としては当然だと思うよ。

 熱心な信者の、たもさんのお母さんは、死に瀕している孫を前にしてこう言い放つ「ちはる(孫の名)が輸血で助かったとしても、せいぜいあと数十年生きるだけでしょう?輸血を拒否すれば、エホバから永遠の命を貰えるのよ! 数十年と永遠、どっちが長い?」
 狂信的な人には、何を言っても無駄!!

 すごいなぁ、なかなか言えないよね。こんなセリフ。だいたい、そんなに永遠に生きたいだろうか? 人魚の肉を食べたので死ねなくなって彷徨う尼さんの伝説があったなぁ。
 この世はサタンが支配しているため、近い将来、エホバはハルマゲドン(なつかしーーー!オウム真理教もハルマゲドンが来ると言ってた)でこの世を滅ぼして、エホバを信じる人だけが生き残り、死んだ信者たちも復活し、地上の楽園で年を取ることなく、永遠に生き続ける、という教義。

 不老不死って刑罰だと思う。

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