ケイの読書日記

個人が書く書評

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」㊤巻

2012-10-22 10:07:35 | Weblog
 『カラマゾフの妹』というミステリが話題になってると聞いたので、それを読もうと思ったが…そうだ!私『カラマゾフの兄弟』未読なんだという事に気が付いた。
 35年ほど前、読もうとしたが、かなりの長編なので、止めたのだ。

 そうだ!この機会に読もう!  今読まないと、一生読めないだろうと、新潮文庫で㊤㊥㊦の3巻出ているので、私としては珍しく購入。

 退屈な話だろうな、という予想に反して、これがすごく面白いんです。驚いた。

 物欲の塊のような好色爺の父親・フヨードル。
 好色さは父親譲りだが、消費するだけで、全く稼げないロクデナシの長男・ドミートリイ。
 冷徹な知性人の二男・イワン。
 敬虔な修道僧で物語の主人公である三男・アリョーシャ。
 そして、フヨードルの私生児と噂される、コックのスメルジャコフ。

 この父親と放蕩息子の長男が、同じ22歳の娼婦に入れあげ、長男は女が欲しくて、父親に殴る蹴るの暴行を加える。(㊤巻ではまだ殺してはいない)
 この長男には、美人で金持ちの婚約者がいるのだが、何とか別れようと、彼女を弟のイワンに譲ろうとしている。イワンもまんざらではないようだ。しかし、侮辱された婚約者は、イワンに冷酷な態度を取る。
 それを見て、三男のアリョーシャは心を痛める。
 長男は先妻の子、二男三男は後妻の子だが、どちらの妻も不幸な死に方をしている。

 もう、ドロドロぐちゃぐちゃの愛憎劇。主婦向けのお昼のメロドラマみたい。
 どう転んでも、父親も長男も、破滅に向かってまっしぐら…ですね。

 ㊥巻が楽しみです。 

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