ケイの読書日記

個人が書く書評

古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」

2013-03-23 10:06:15 | Weblog
 筆者の古市氏は、気鋭の若き社会学者として、TVのコメンテーターをやっているので、以前からこの「絶望の国の幸福な若者たち」を読んでみたいと思っていた。

 古市氏は1985年東京生まれ。慶応大学から東京大学の大学院へ進み、総合文化研究科博士課程在籍。(今はどうなのかな?)
 つまり、20代後半。写真を見ると、本当にイマドキの若者。

 読みやすいとはいっても、一応、社会科学の本なので、サクサク読める訳ではないが、それでも面白かったです。


 自分の子供は、3人とも20代だが、一番自分たちの世代(昭和30年代生まれ)と違うという点は、地元を大切にしている事だと思う。これは「絶望の国の幸福な若者たち」にも、よく取り上げられている点。

 例えば進学や就職。私たちの世代で地方在住者だったら、経済的に可能なら、ぜひ東京の大学に行きたい、就職も、できれば東京で働きたい、という人が多かった。特に男の子の場合。
 でも、イマドキの受験生は、地元志向がすごく強い。拍子抜けするほど。金銭的には助かるけど、若いのにもっと中央志向を持たなくていいの?と言いたいほど。
 それを支えているのが、地元の友達を大切にする気持ちだと思う。特に、中学時代の友達と、あまり離れたくないんだ。

 東京に対するあこがれは、無いわけじゃない。でも、地元の友人と集まって海に行ったり、スノーボードに行ったり、バーベキューをしたり、それが一番楽しい。そんなカンジかな?

 それを「内向きな若者たち」と批判する人もいるけど、私は良いことだと思うよ。この本の筆者・古市氏も。
 ちょっと前に『おかれた場所で咲きなさい』という本がベストセラーになったけど、本当にその通りです。

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2 コメント

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Unknown (コウイチ)
2013-04-03 19:20:10
バブル崩壊してからそういう傾向が強くなってきたっていわれてますよね。一方で、都市への一極集中がますます進んでいるとも……。
不景気が原因で保守化している面で今の安倍さんなんかは支持されていますが、景気が良くなったらどうなるのか、そういう未来がみたいですね。
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コウイチさんへ (kei)
2013-04-04 14:52:33
 いつも丁寧なコメント、本当にありがとうございます。

 東京への一極集中が進んでいる事は事実でしょうが、出稼ぎって減ってるような気がするなぁ。
 それよりも、工場を地元に誘致して仕事をつくり、なんとか人を繋ぎとめようとしている。

 実際、東京に実家がある人はいいでしょうが、そうでない人は、生活が本当に大変だと思います。
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