ケイの読書日記

個人が書く書評

三津田信三「山魔の如き嗤うもの」

2013-03-18 16:04:15 | Weblog
 この刀城言耶シリーズは何冊あるか知らないが、3冊ほど読んだろうか、その中でこの「山魔の如き嗤うもの」が、一番いいと思う。
 特に前半部分は、『遠野物語』を意識しているんだろう。とても面白い。



 終戦後間もなく(たぶん昭和25年頃)奥多摩の集落に昔から伝わる成人参り(三つの山の里宮から奥宮までを1人で辿って礼拝するという儀礼)を行なっていた青年が、道に迷い、忌み山に入り込み、そこで恐ろしい体験をすることから、この小説は始まっている。

 決して入ってはならない、入れば恐ろしい祟りがあるとされた『忌み山』に迷い込みさまよっているうちに、一軒の家にたどり着く。
 なぜこの『忌み山』に家がある?と不審に思ったものの、野宿したくない青年は、頼み込んで泊めてもらう。
 中年男、若い男、老婆、若い女、子ども…得体のしれない一家。
 翌朝、青年が起きて階下に降りていくと、誰もいない。朝食の用意はしてあり、戸には内側からカギがかかっているのに…。一家消失。


 この謎を解くように依頼された刀城言耶は、さっそく一家消失の現場に向かうが、そこで後頭部を殴られ、顔を焼かれた男の死体が発見される。これを発端として、次々と起こる殺人。

 
 一応、この地方の童歌をもとにした見立て殺人になっているが、見立てが成功しているとは言い難い。無い方がいいような気がするなぁ。
 犯人は誰か、刀城先生も苦労していて、最重要容疑者がコロコロ変わるが、まぁ、そんなもんだろう。
 有栖川有栖のように、論理だって犯人を捜している訳じゃない。誰でも犯人だと言いくるめる。
 ホラーミステリと分類されるかもしれないが、ミステリ部分は弱い。
 でも、ホラー部分は、本当に読みごたえあり!

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4 コメント

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めぐみです! (めぐみ)
2013-03-19 03:40:59
めぐみです!このあいだコメントしためぐみです!覚えてますか?覚えていてくれた嬉しいですw☆^(o≧▽゜)oニパッせっかくなのでメールできませんか?私ブログとかやってないのでお話がしたいです、アドは megumi7704あっとyahoo.co.jpです、待ってますね!(。・・。)ポッ
返信する
めぐみさんへ (kei)
2013-03-19 11:06:10
 大変申し訳ありませんが、メールいたしません。
 いままで、ブログで交流のあった方と、メールでやり取りしたことはありません。
 あしからず、ご了承くださいませ。
返信する
Unknown (たか@ヒゲ眼鏡)
2013-03-21 03:25:32
どうも! TBさせて頂きました!
そう言えば、最近三津田信三読んでないなあ(^^;。
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たかさんへ (kei)
2013-03-21 10:53:15
 コメントとTBありがとうございます。

 そうだ、たかさん、読んでるんだ。私、そこにコメントもしてたんだ。思い出しました。
返信する

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