東京近郊の私鉄沿線。南口改札を抜けると、何の変哲もない地方の町が広がっている。ロータリーをまるく縁取るように数軒の店が並び、バス停にはバスが停まっている。
南にのびる道を歩いていくと次第に店はまばらになり、かわって住宅が混じってくる。小さな橋を渡り向こう側に行けば、そこからは住宅街が広がっていて…。
そのありふれた町の普通の人々のちょっとズレた日常。
その中に、30歳代の半ば過ぎでずーっと自分探しをしている女の人がいる。
ニュースキャスターを目指してアルバイトしていたが、自分のなりたいのはジャズシンガーだったと目覚め単身NYへ飛んだ。
3ヶ月で日本に帰ってきて自分の表現方法はカメラしかないと商店街で個展を開く。本当にやりたかったのは声優だったと気付き、声優養成学校に入り深夜ラジオのパーソナリティを数ヶ月やったが仕事が途切れる。
ダンススクールに通い、ストリートダンスの発表会に1度出演し、平行してフラワーアレンジメントを習い、講師をやるんだろうと思っていたら、酒屋の息子に嫁いで行った。
そして今、店番しながら小説を書こうとしている。
わかるなぁ…。こういう節操もなく焦る気持ち。「私はまだ何者にもなっていない」「何者かになれるはずだ、いや、ならなければならない」と自分を延々と探し続けている。
でも上野千鶴子も書いている。「自分というのは他人との関係の中にしかないのだから、探しても見つからないのは当たり前」ってね。
南にのびる道を歩いていくと次第に店はまばらになり、かわって住宅が混じってくる。小さな橋を渡り向こう側に行けば、そこからは住宅街が広がっていて…。
そのありふれた町の普通の人々のちょっとズレた日常。
その中に、30歳代の半ば過ぎでずーっと自分探しをしている女の人がいる。
ニュースキャスターを目指してアルバイトしていたが、自分のなりたいのはジャズシンガーだったと目覚め単身NYへ飛んだ。
3ヶ月で日本に帰ってきて自分の表現方法はカメラしかないと商店街で個展を開く。本当にやりたかったのは声優だったと気付き、声優養成学校に入り深夜ラジオのパーソナリティを数ヶ月やったが仕事が途切れる。
ダンススクールに通い、ストリートダンスの発表会に1度出演し、平行してフラワーアレンジメントを習い、講師をやるんだろうと思っていたら、酒屋の息子に嫁いで行った。
そして今、店番しながら小説を書こうとしている。
わかるなぁ…。こういう節操もなく焦る気持ち。「私はまだ何者にもなっていない」「何者かになれるはずだ、いや、ならなければならない」と自分を延々と探し続けている。
でも上野千鶴子も書いている。「自分というのは他人との関係の中にしかないのだから、探しても見つからないのは当たり前」ってね。
