ケイの読書日記

個人が書く書評

我孫子武丸「8の殺人」

2010-11-03 19:39:15 | Weblog
 この作品が我孫子武丸のメジャーデビュー作品らしい。なかなか気合の入った作品。作者の初々しい意気込みが感じられる。

 “8の字形の屋敷”で起こった連続殺人。第一の殺人で犯人とされた男は、速水警部補にはどうにも納得できない。
 彼と、推理マニアの弟・妹の三人組が、再度調査を始めるが、彼らを嘲笑うかのように第二の殺人が起こる!

 第一の殺人はともかく、第二の密室殺人のトリックは優れていると思う。確かに諸条件がそろえば、こういうこともありうるよね。
 密室トリックは出尽くしたと言われるけど、可能性はあるよ。

 第一の殺人のトリックは、とても古典的なもので、そのせいか作者は最後にサービスとしてドンデン返しを用意しているが、これは無い方がスッキリしたと思う。

 解説は島田荘司が書いている。安孫子武丸って、綾辻、歌野、法月と同じく、島田荘司のひきでデビューしたんだね。ペンネームも島田荘司がつけているみたい。
 作風としては私は法月綸太郎が一番好きだけど、出世頭ということになると、綾辻行人ということになるだろうか?
 皆さん、頑張って下さい。
コメント
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