ケイの読書日記

個人が書く書評

長岡弘樹 「傍聞き(かたえぎき)」

2013-01-09 11:07:10 | Weblog
 傍聞き(かたえぎき)って言葉、初めて知りました。

 一つの作り話があるとする。それを相手から直接伝えられたら、本当かな?って疑うのが人間の心理。
 だけど同じ話を、相手が誰か他の人に喋っていて、自分はそのやり取りをそばで漏れ聞いていたら…どうだろう。ころっと信じちゃうだろうね。
 それが、漏れ聞き効果。傍聞き(かたえぎき)。なるほどね。そのとおりだ!


 ただ、この「傍聞き」がタイトルにもなっているのに、最後まで騙されてしまった。ああ、そうか。ここで「傍聞き」が有効に使われてるんだ!! それに気が付かない私も、相当うっかり屋さんだ!

 他に3編、全部で4編の中短編が収められているが、この表題作は中々の秀作だと思う。私と同じように、最後まで騙される人、多いと思います。


 そうそう、この表題作の中で、小学校6年生の女の子が出てくる。母子家庭で、母親が刑事という激務なので、自分で夕食を作って、お母さんにも食べさせるのだ。
 ある日の夕食は「麻婆豆腐」。お母さんに「この味付けはイマイチ」と文句を付けられて驚いた!!
 小学校6年生の女の子が、麻婆豆腐の味付けを自分でするんだ!  私なんか、いつでも味の素COOKDOの「四川風麻婆豆腐の素」を使うのに!

 失敗がないし、特売の時に買えば高くないし。

 いやぁ、私、怠けすぎてるのかな。ちょっと反省した方が良いかも。
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酒井順子「こんなの、はじめて?」

2013-01-04 17:50:48 | Weblog
 あけましておめでとうございます。皆様、今年もよろしくお願いします。

 お正月休みの間に、せっせと本を読んで、読書感想のストックをいっぱい作っておこうと思っていたが、微妙な情勢。
 実家に行ってきたし、冬物のセールは始まってるし、漫画喫茶にも行きたいし…。そうこうしているうちに、もはや4日。

 という事で2013年の第1回目は、年末から読んでいた酒井順子のエッセイ集。「週刊現代」2009年2月~2010年3月に連載されていたもの。

 酒井さんはバランス感覚にすぐれ、男性からも女性からも支持されるエッセイストですが、なにせ良家の子女。
 名門私立小学校から、エスカレーターで名門大学まで進学された方なので、感覚がセレブの方にずれていると思う事も多いのですが…私の感覚にドンピシャというエッセイを見つけました。

 タイトルは「日本のサービス、中国のサービス」
 日本のサービスは、細かいところまで心配りが行き届いていて最高、それに比べ中国は…という意見が多いですが、酒井さんは、中国のつっけんどんなサービスの方が気疲れしなくて良いと書いています。
 私も同感。

 サービスされ慣れている人は、また別の感想を持つかもしれませんが、あまり行き届いたサービスを提供されると、自分の心の内を見透かされているようで、かえって緊張します。もっと、ほかっておいてもらいたい。

 美容院などでも、「あれこれ話しかけなくてもいいです。そんなに気をつかわないで」と言いたい。

 しかし…美容師さんに、自分の旅行先のお土産を渡したりして、個人的に仲良くなりたい人は多いからなぁ…。私のような意見は少数かも。
コメント (2)
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