日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大人になれない・・・

2004-12-10 12:52:34 | ライフスタイル
今朝の新聞に掲載された、雑誌「クロワッサン」の広告を見て「ギック!」とされた方がいらっしゃるのでは?
「男はなぜ子どもなのか。」というタイトルで特集が組まれています。
以前「日本の男性は3人の『ママ』に支えられている」と言われていました。
ひとりは、自分の妻。もうひとりは「クラブのママ」。三人目は自分の本当の母親。
家事全般や育児は妻である『ママ』に面倒を見てもらい、職場の愚痴は「クラブのママ」に聞いてもらう。
そして、イロイロな意味で一番甘えられるのは自分の母親である『ママ』ということを指して、「3人のママ」と言われていました。
心あたりのある方はいらっしゃいませんか?

確かに、「日本の男性の多くは大人になれずにいるな~」と思うことが、あります。
というよりも、日本の社会は「大人になること」を期待していなかったように思うのです。
企業に属している間は、従順な社員であることが良い社員であると思われていました。
従順思考の為でしょうか?日本の男性はロマンチストというか、現実的なことに逃避しがちです。
例えば、介護の問題です。
女性の多くが、「できれば家族の手を煩わすことなく、病院や施設で過ごしたい」と考えているのに対し、男性は「自宅で妻や娘、嫁が介護をするものだと思っている」方がかなりいらっしゃいます。
現実は18歳以上の女性の7割以上がパートなどを含む有職者で、そのような時間を作り出すことが難しい状況にあります。
でも、社会の大半は「仕事を辞めて、面倒を看るのが当然だ」という考えなのです。
結婚時に「仕事をやめて、専業主婦になってくれ」願望も、根っこは同じでしょう。
その同じ根っことは「既成概念」です。

日本の男性の多くは「こうあるべき」という、ある種の理想論的な環境の中で育ってきます。
端的な例は「男の子なんだから・・・」という言葉です。
「こうあるべき」と枠組みを設定し、イロイロな枠が設けられた中であれば、その枠の中で考え、行動すれば問題も起きません。
危険も少ないでしょう。
それが「既成概念」という枠を、はめ込んでしまっているように思うのです。

しかし、それも今変化の兆しが出ています。
「少子化」です。
これまで男の子にだけ与えられていた枠組みが、女の子にもなってきました。
元々日本の社会には「若さ信仰」がありますから、ある意味「未成熟」であることに対して寛容です。
それを象徴するのが、街頭インタビューなどで見かける高校生位の女の子達が言う「二十歳になったら、オバサンだから」という言葉でしょう。
大人になると、社会的リスクが増えるばかりで、自分自身の価値が下がってしまう=大人になりたくないということなのです。
ただ、これまでは社会的にも経済的にも、それが許されるような環境ではありませんでした。
高校なり大学を出たら、就職しなくてはいけない。という社会的規範のようなものがありましたが、いまや「NEET」という言葉があるように、就職しなくても社会が寛容に受け入れてくれます。

それにしても・・・時代の変化ですね。
私が高校生だった二十○年前は、「早く親から離れたい!!自活したい」という気持ちが、普通に強かったのですが・・・(思わず遠い目)。