日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

娘婿

2004-12-14 11:21:29 | CMウォッチ
12月に入り、テレビCMもクリスマス向けやお歳暮向けのモノが、多くなって来ました。
特に先週末が、公務員及び一般企業の多くが冬のボーナス支給日だったこともあり、目立ちます。

さて、そんなCMの中で「今の家族の風景」が見えてくるようなモノがあります。
健康ブームを反映して、「体脂肪を燃やす」とか「中性脂肪がつきにくい」といったコピーの食用オイルのCMのひとつですが、お気づきでしょうか?
CMの内容は・・・
お歳暮がある中高年夫婦宅に届く。
それを受け取った妻が「お父さん、○○さんからお歳暮」と言いながらリビングで寛いでいる夫の所へ、お歳暮を持っていく。
お歳暮を開けながら
夫「○○さん?アァア~、△△夫婦か!△△も(商品名)か・・・」という内容なのです。
この○○さんは娘婿で、△△さんは娘の名前のようなのです。
結婚をした娘夫婦が、お歳暮を贈る。というありふれたCMです。
ただ、気になるポイントは、夫である父親の言葉「△△夫婦か!」というところです。

10年くらい前なら、嫁に言った娘夫婦からお歳暮を贈られた父親は、どんなリアクションをしたでしょう?
おそらく「○○君も、私たちに気を遣ってきたな~」という感じだったのでは、ないでしょうか?
それが、嫁に行った娘のほうが主たる贈り主のように喜んでいる父親に変化しています。
団塊の世代の人たちが、社会の第一線からそろそろリタイアし始め、その子ども達が結婚をし新しい家族を持つようになって来ました。
この夫=父親の言葉こそ、団塊の世代の人たちの親子関係を現しているように思えるのです。

私(昭和30年代半ば生まれ)と同世代の両親は、昭和一桁か10年始めの生まれです。
この世代の人たちは、やはりどこか第二次大戦の影を引きずっていて友達親子という関係ではありません。
特に父親は、不器用なまでに寡黙で自己表現が下手です。
そのような世代を反面教師としてきた、団塊の世代の人たちは子どもに対しても理解があり、親子関係も友達感覚だといわれています。

たかだかテレビのCMであっても、その世代や思考というモノを如実に表している・・・そんなことを、15秒のCMで感じ取ってください。