日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

シンボルアスリート

2004-12-12 23:29:09 | マーケティング
今日の新聞スポーツ面に「野口がシンボルアスリート辞退」という記事が掲載されていた。
この「シンボルアスリート」とは、今年からJOCが始めた新しいビジネスです。
年間最高金額2千万円を契約選手に支払い、協賛企業に契約選手の肖像権使用を募る。という内容のものです。この時、新聞各紙には「JOCの新しいマーケティングビジネス」として、紹介されました。
この春のことです。

この背景には、柔道の谷亮子選手や水泳の北島康介選手のように、テレビCMなど露出の高い選手プロ化した選手の登場によるものといわれています。
すなわち、有名・注目アスリートがテレビCMなどに出演することで、その出演料の一部をJOCの資金の一部にしよう。ということなのです。
しかし、北島選手は既にサッカーの中田英寿選手が契約をしている、マネージメント会社と契約をしています。
ですから、今更JOCの力を借りなくても自分の肖像権を管理し、テレビ出演やCMの出演料を手にすることができます。
契約を辞退した谷選手や同じ柔道の野村忠宏選手は、おそらく所属企業がしっかり管理しているのではないでしょうか?
また、契約を保留している室伏広治選手も所属企業がスポーツメーカーですから、活動内容が制約されるようなことが考えられるようであれば、契約しないような気がします。
そうなると・・・当初JOCが目論んでいたビジネスプランは頓挫することになってしまいます。
おそらく、頓挫してしまうでしょう。

そもそも、「個人が所有している肖像権を、ある団体の利益のために利用する。」という発想に難点があるような気がしています。
JOCは、スポーツ全般の振興するための団体です。
その中には、マイナーなスポーツもあるはずです。
であれば、そのマイナースポーツを如何に一般化していくのか?ということを、主眼に置かなくては・・・。
そのために競技人口を増やすためにどれだけの努力をし、そのスポーツを紹介しているのでしょう?
各スポーツ団体の大きな収入源は、「選手登録料」といわれています。
「競技人口を増やす」その為のマーケティングを忘れて、収益をあげるためにマーケティングを使うというのは、本末転倒のような気がします。

今日のUPが遅くなった理由を。
実は、サッカー天皇杯を観戦に磐田まで行っていました。
天皇杯の試合後行われた、ユース(高校生)の試合まで楽しんで来ました。
ユース世代の試合は、男女関係無く一生懸命さが伝わってきて、トッププロレベルとは違う楽しさがあります。
日本のサッカー人口が増える理由は、底辺拡大のために様々な方策を練り、一般の多くの人に見てもらうという努力のうえに成り立っているのです。