日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

NHKの受信料

2004-12-09 11:40:19 | マーケティング
最近話題というか、問題になっているNHKの受信料についてです。
実は、受信料を支払っていません。
以前は支払っていましたが、現在は支払っていません。
こういうことを声高に言う気はありませんが、それなりの理由があります。

現在の放送法では、「受像機(=テレビ)のある所は、受信契約をしたものとみなし、受信料を支払わなくてはならない」という趣旨になっています。
でも・・・私は、NHKを受信するという契約をした記憶はないし、受信料を支払うだけの対価価値のある放送を見ていない。
こういう話をすると、大体NHKの料金徴収の方は「離島や山間の地域に衛星設備を設置して、受信不備地域を無くすのも、NHKの大きな仕事です。その為の費用として受信料の一部が使われているのです」という答えをされます。
しかし、この論説はBSやCSなどが一般化しつつある現在では、余り意味をなしません。
何故なら、個々の家庭が受信装置を設置しているからです。

さて、私が受信料を支払わない理由の「対価価値」という意味を考えてみて下さい。
この場合、
1、番組そのものを見ていない
2、番組は見ているのだが、その番組に対して価値を見出していない
という2つの理由が考えられます。
これは、番組を視聴している側から見た考え・受け止め方です。
では、NHKの「放送しているんだから受信料を払え」というのは、どうでしょう?
これは、いわゆるメーカーや売り手から見た考えですね。
この視点の違いが、マーケティングとセールスの違いなのです。

マーケティングは、あくまでも生活者の視点に立って「生活者の利益や利点」という考え方であるのに対して、セールスはメーカーや売り手から見た「利害や利益」なのです。
いみじくも、今回の騒動でNHKの海老沢会長はニュース番組の後で「みなさまへのお詫び」放送をしたようですが、その時「NHKも被害者である」というようなニュアンスのことも話したようですね。
(実際には見ていないので、新聞等々の報道によるものです)
でも、おかしくありませんか?
NHKの番組という商品を買っているのは、受信料を支払っている人たちです。
ということは、NHKが被害者ではなく受信料を支払っている人たちが被害者なのです。
このような弁明は、あくまでもメーカーや売り手主体の思考だからできるのです。

現実には「売上あって何ぼ」という状況だと思います。
ただ、お客様の視点にたって商品・サービスを提供し利益を上げることと、こちらの都合で「何とか買ってくださいよ」と言ってあげる利益では、同じ金額でもお客様から得られる信頼や信用の質が違います。

どんな視点を持って、日々過ごしていますか?
あ!ちなみに私は、NHKそのものをほとんど見ないという理由で、受信料の支払いを拒否しています。