日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

産学協同

2004-12-21 21:51:32 | アラカルト
昨日に引き続き、地方紙の記事からです。
九州で発行されている西日本新聞に?[東大が泡盛を販売」と言う記事が掲載されています。
東大がモノを販売すると言うのも違和感がありますが、販売する商品が「泡盛」というのが、ますます違和感と言うか、驚きがあります。
記事をよく読むと、泡盛以外にも学術研究によって商品化されたモノが、販売されているようです。

これまで、大学が販売するものと言えば「大学グッズ」と呼ばれるTシャツやマグカップ、シャープペンシルなどのステーショナリーがほとんどでした。
それが、「学術研究によって商品化する」ようになった背景には、国公立大学の独立法人化があります。
独立法人化といわれてピンっとこないと思いますが、「これからは大学も独自で収益をあげなさい」ということと、学術研究の人材は大学が提供し、研究施設などは企業から提供してもらい、一緒に新しい分野の研究をもっと進めていきましょう。という「産学協同」ということがあります。

「ナレッジマネージメント」と言われる「知的財産」ということに対して、企業は高い価値を見出すようになっています。
今年初めに話題になった、青色発光ダイオードの開発者・中村修二さんは裁判で20数億の開発研究のお金を勝ち取りました。
また、アジア特に中国などでは著作権や特許などは、あってないようなモノです。
そのようなことから企業を守るためにも、莫大な収益をあげることができる「知的財産」となりえるモノは、積極的に開発・研究していきたい分野なのです。
ところが、施設はあっても最新の技術となると現在の研究員だけでは・・・ということで、施設面で十分とはいえない大学と協力し合って共同開発していきたい。という思惑があります。

そのようなことを考えると、今回のこの記事はイロイロな意味を含んでいるような気がします。
それにしても・・・醸造学科があるのは、東京農大なのにどうして「麹」が東大に保管されていたんだろう